忙しくて書ききれなかった「那智瀧図」展と「白隠」展の話をやっとUPします。
1月16日、あの14日の大雪の明後日の話です。

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年始から風邪をもらって寝込んだが、華々しい席が終わったら憑き物が落ちたように元気になった。
どんだけ華々しい席もストレスか・って話だ。

で、異常に元気になった16日、自分の家の前以外で未だに雪かきしていない自宅周辺危険道路の雪かきをゲリラでやってきて、
更に体力が余ったので(どんだけ元気になったんだ)行きたかった美術展をチェックしたら

軒並み終わっていた。orz


気を取り直してまだしも行く気がする2つを選んだら・えらい抹香臭くなった。(笑)

1つは根津美術館の「国宝・那智滝図 仏教説話画の名品とともに」

http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

もう1つは東急Bunkamuraの「「白隠」展・禅画に込めたメッセージ」。

http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/12_hakuin/index.html

根津美術館はリニューアルしてからお初、いや実は人生てお初かも。
仏教説話画とか仏教画って大体ボロボロだったり退色していて、目が良くない人には何も見えないケースが多いので、今回もまだ行ったことのない「那智瀧権現」に絵姿でも参拝するという気分。
もうどんどん近世以前の人の感覚。

展示は予想通り視力の悪い人には厳しいコンディションの絵が多かったが、見えないなりにパワーを味わうってことでも楽しめる。

やはり国宝「那智瀧図」は素晴らしく、熊野は行かねばならない、と決意。
本来は滝が流れる岩が金で、紅葉の風景と銀彩の滝で大変ゴージャスな絵だったらしいという解説を読みながら、うっすら残る金を岩肌に確認。
こういう古い名品というのは目で見て小賢しく評定するのでなく、目の力を抜いてハートのチャクラで味わう感じになると、うまく味わえるというのが解った。

他には平安時代の銅の大鉢を見ていた時に自分の視線を大鉢に同化させてみたり、そのまま鉢が現役だった頃のことを感じようとしたら、なにかトリップしたようになってクラクラ来た。

美術館お初なら庭もお初なので、雪が残る中を喜び勇んで庭園へ出る。
かなり広くて石段のアップダウンもあり、着物で出かけてこなくて良かった、と思う。
雪景色でしっとりしていて他の入館者にもすれ違わないので「アタクシのお庭」感がどんどん募る。(笑)
かなり広い庭園なので、歩き回ったらお腹が空いた。
一度遭遇して中をのぞいたが入らなかった庭園内のカフェNEZUCAFEに入ることにする。

http://www.nezu-muse.or.jp/jp/guide/cafe.html

「ちょうど窓際のお席が空きますので」と少々待たせてもらって着席。
お腹が空いていたので塩気のものを、とも思ったけれど、寒かったのでホットアップルパイを注文。
美味&美しい盛り付け&ボリュームある!
日がさんさん入ってのどか。ここって青山だったのよね。

満足して庭をもう一巡り、そして石造りの小さな鳥居と木の祠を発見。
つい吸い寄せられるように入ると、中に風化した石像がお祀りされている。
袂の長い貴人風、筆が2本前にお供えされているので天神様、菅原道真公である、とわかる。
「ご縁があって寄らせていただきました、また遊びに来させていただきます」などと手を合わせてご挨拶。
きちんとお祀りされて手を合わす人も多いからだと思う、ほんわりと暖かいエネルギーをいただく。

ショップで色々見ているうちに「帯留め」の豪華写真集を2冊も買って散財。

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庭園の天神様は大丈夫だったんだけど、館内常設の仏像群がちょっとやっぱり怖くて。
私はどっちかというと前は「見仏」派で、懐かしの前彼ちゃんと奈良・京都・琵琶湖まわりの美仏ウオッチの旅に出たりもしたんだけど。
お寺の仏様はいいんだけど、博物館・美術館の仏像がこの何年か怖くて怖くて困ってる。

根津でもちらっと仏像の小部屋を見かけて「あ、ちょっと怖い」と思っちゃって、どうしようかな、と考え、
小部屋に入る前にとにかく合掌して一礼して、各々の仏像の前でもとにかく合掌して「南無地蔵菩薩、南無地蔵菩薩」などと唱え、「お詣り」してから鑑賞させてもらうことにした。
そうしたら、少し怖くなくなった。

滋賀のMIHOミュージアムのエジプト美術の古代エジプトの神像なんかは怖くないし、前に見た国立博物館の一木造りの仏像オールスターや興福寺の無着・恵心像がいらしたときだって怖くなかったんだけどなぁ。
怖い怖いと思うからかなぁ。

白隠編は次に。