手短にいきます。

今日はアリーナ・イヴァンの送別で三岐という町にある結構ファインなレストランに連れて行ってもらったのです。

お肉のグリルなどが中心の洋食のお店。
ちょっとお洒落気取りな部分はありつつも全体に美味しかった。

メインの料理が終わってお皿を片付けてもらっているころに、斜め前の台湾の陶芸家さんのところにもう一度サラダが運ばれてきた。
「あれ、この方はデザートの代わりにサラダを注文したの??」と見ていると、
今度はメイン料理の骨付きの豚肉を持ってきた。
この人は確か魚のグリルを食べていたはず、、、??????

みんなも不思議に思って注目したら、その陶芸家君いわく
「魚の味はいかがですか、と訊かれたので、「ちょっと僕には苦手な味」って言ったら『他の料理をお持ちいたしましょう!』って言われて。」

最近の台湾のファインなレストランではこういうサービスになっているところが多いらしい。
気に入らないと言われた料理は返金とか、代金なしで代わりの料理を即座に出すとか。

「じゃあ腹が減っていたら途中まで食べて『気に入らない』って言えばいいじゃん!」
とみんなでびっくり。
「僕は何の気なしに言ったんだけどね、、、」と陶芸家君。

その後デザートまで終わって、ウエイター君が恭しくアンケートとお客様登録カードを持ってくる。
眺めていたら自分で記入できそうだったので記入してみる。(実名記入欄もあり)

アンケートが回収されてしばらくして、またウエイター君が恭しく登場して、
「このテーブルでどなたか前菜がお気に召さなかった方がおられましたが、よろしかったらご意見をお聞かせください」。

あ、それ書いたの私だ。
変な魚のだし汁に赤ワインで味付けしたジェリーが出てきて、「あましょっぱい」でなくてほとんど甘くて奇妙な味だったし、他の人たちが頼んだ小エビのカレーソースみたいなのに比べて味も量もダントツに劣ってるのに盛り付けだけ凝っていて憎たらしかったのだ。

とりあえず英語で甘さと塩味のバランスが甘さが勝ちすぎていて私には変な感じだったことを伝えたけれど「でも新しい味の体験ができて楽しんだわよ」とも付け加えてみた。
すると更にウエイター君が私に「ご意見のお礼です」と言って小さな包みを手渡してくる。
小さなって言っても小さくない。

みんなが「開けろ開けろ!」というので開けてみたら蓋つきの300ml位の携帯マグ。
イヴァンが「くそっ、俺はチャイニーズが読めないからシャオミンに『全部良いって書いて』って渡しちゃったじゃないか!」と半分悔しそうに言う。

お魚にクレームつけた陶芸家君は食べきれないので紙パックに入れてお持ち帰りにする。
紙袋を手渡されながら、さらにウエイター君が「こちらもどうぞ」と小さな箱。
これはお洒落な名刺ホルダーみたいなもので、イヴァンが真剣に悔しそうな顔をしたところに
「ほら、本気で悔しがり始めているわ!」とアリーナが突っ込む。(笑)


そういえば故宮博物院のカフェでもウエイター君がシルクの手触りのような素敵な対応だったんだけど、最近の台湾のお洒落な場所ってのはこういうサービスなんだな。
日本、サービス産業でもそのうち負けるよ。これじゃ。
鶯歌の町の食堂はオバちゃんが威勢よくサービスしていて、その落差がまた楽しいけど。


私の今日のプチ学びは、「気に入らなければ素直に気に入らないと言ってよい」。
ただし邪気なしに。


あ、今日ランチに行く前にふと思いついて大事だと思ったことを今思い出した。
「気に入らない人は気に入らないと認めちゃっていい。無理してその人のことを好きになろうとかしなくていい。」

気に入らない人が気に入らない=その人のことを考えるとどんよりするのは、それは自分が気が咎めて無理して優しくしようとしているせいで、自然体でなく自分が辛いから。
そう思う自分を許せていない、認められていないから辛い。
本当に自分が自然体でいられれば「合わないなぁ」と思う人は単に合わないだけで、お互いがお互いとして調和して存在できる。
それには、「合わないなぁ」というのを、邪気なく認める事。

思いついたんだけど忘れちゃって、さっきまで思い出せなくて悔しがっていたんだよね。
なんということだ、ここでつながるとはね。