ええと、ご無沙汰です。
なんだか色々乗り越えて現在に至るって感じです。

まず一昨昨日の夜。
作業が予定したところまで終わらない私は夜9時過ぎまでたった1人でスタジオに残りました。
夜型のイヴァンまで帰ってしまって、作業終了時にはなんだかヘロヘロ。
さっさと一杯ひっかけて寝るぜ、と博物館前のセブンイレブンに行って買い物をしたら、気が付いたら財布がない。
財布というか、財布と鍵を入れて持って歩いている小さいリュックを持っていないでパソコンを入れた包みを肩にかけているだけ。
疲れて大事なリュックを忘れてきたのだった。
作品で頭がいっぱいだと私はそういう失敗をすぐにする。
博物館は出るのには鍵も何もいらないので気が付かなかった。
「お財布を忘れてしまったので取りに戻る」とつたない英語で店員のお兄ちゃんに伝え、博物館に戻る。

夜の9時、通用口のガードマンさんのいるところから入れてもらうしかないのですが、ガードのおじちゃんは巡回に出ていていない。
ユルい台湾なのでどこかから入れないか、と博物館の周りを2周したけどさすがに全然ダメ。
その日は台風まがいの暴風雨。
傘の意味がないほどの吹き降りで上から下までびしょびしょ。
タイルの歩道で滑って尻もちまでついてお尻までぐちゃぐちゃ。
結局2周してまたガードマンのいる非常口に戻ってきて、インターホン見たいのを押して、「滞在作家のキョウコです!入れてください!助けが必要です!」と英語でがなり立てる。
でも何の答えもない。
どうすべ、とその場を去りかけたら駐車場のシャッターが少し空いて中国語オンリーのガードマンさんが何か叫びながら出てきた。
「キー!鍵!!インサイド!!入れて!!」とか日本語と英語とジェスチャーで説明。
無事に博物館に入れてもらえたのはいいけど、博物館の中庭前で「お前ひとりで行け」の身振り。
中庭を突っ切った奥の奥にあるスタジオまで1人で行ったら、今度はスタジオがしっかりロックされている。
また雨の中でスタジオの周りを2周。
こんな時に限ってみんなきっちりしまっていて、搬入用と思われるエレベーターがあるのでそれに乗って地下まで行ってみて、しかしそこからも鍵がかかっていて入れない。
エレベーターのあたりで不審な行動を繰り広げていたら裏口担当のガードマンのおじちゃんが来て、
また身振り手振りで「中に入れてくれ」の説明。
このおじさんは片言の英語で話しかけてくれていつも親切。
やっとスタジオに入れて大事なリュックを手にして、セブンイレブンでお買い物も無事に済ませられた。
2時間くらいこの騒動でかかったので、セブンイレブンのお兄さんは商品を全部棚に戻しちゃっていて、戻ったら変な顔していたけどね。


そんな夜が明けて、次の日は古い町並みとお寺のある三岐にみんなで遊びに行ったわけです。
ところが出足から誰か用意出来ても誰かが待たせて、待ちくたびれた奴がシャワーを使い始めたりして全然足並みが整わない。
あたふたしているうちに、や っ ち ま っ た 。
今度はちゃんとリュックは持っているけど自分の部屋に鍵を入れたまま締めてしまった。
キートラブル、アゲイン。
他の作家全員が一丸となって面倒見てくれて、職員さんの携帯電話に博物館のインフォメーションカウンターから電話して、予備の鍵をカウンターに私たちが戻るまでに届けておいてもらうことになる。
そして私たちは無事に三岐に遊びに行って、無事に私は自分の部屋に入れたのでした。


前の私だったら鍵をスタジオに閉じ込めてしまったときに結構慌てたり自分を責めたりしたと思うのですが、「台湾に歓迎されてるんだし、きっと大丈夫!」と落ち着いていられたのでした。
ガードのおじさん達にはいつもニコニコご挨拶をしていたので、それも「今までちゃんとご挨拶してきてよかったよぉ」と思った。

部屋の鍵を忘れて締めちゃったときも イヴァンが「俺もやった、ケリー(職員さん)に電話しろ」とすぐに電話番号をくれたりみんなで面倒見てくれて、今までだったらそういうのも恥ずかしかったり恐縮するあまり具合悪なってしまったり(真面目に)したのだけど、今回は「こりゃもう、みんなに面倒見てもらう学びだな」と素直に受け取って度を失わないでいられた。

私は「ちょっと面倒見ないといけないぼんやりした人」ってポジションになっちゃったようですが、みんなますます優しくなったので、まぁいいか。

つまり、ますます楽しくやっています。