今日あんなに強気でホームレスの人にビッグイシューを紹介したのは、伏線がある。

職場の最寄り駅付近に、気になるホームレスの女性がいるのだ。
派遣斬りの嵐が吹き荒れた頃から座り始め、駅が再開発されて追い出されたら駅近くの高架下のバス停に移動して座っている。
見かけた時からビッグイシューを紹介できないかなあ、と思っていたが、何をどう切り出していいかわからず、寒い日にホカロンと温かい缶コーヒーを何度か手渡しただけしかできないでいる。
そのおばちゃんのことがずっと頭にあったから、するする行動してしまった。

その女性ホームレスはある日商店街を奇声を発しながら歩いていたことがあったから、ビッグイシューを売るのも無理かもしれない、とますます二の足を踏んだ。
でも今日会った人は、、、とスイッチが入ってしまったのだ。


行動してみてよく解る、すべては自分がしたかったことなんだ。
自己満足。
自己満足だからそれが無駄打ちでも構わない。
自分はビッグイシューという情報を知っているのに、まさにその情報を必要としている人に勇気がないだけでそれを流さないのは、「義を見てせざれば勇なきなり」じゃないか?と心に小さな刺がひっかかっていた。
ただ、それを抜きたかっただけなんだ。

ま、恵比寿でやってみたからって武蔵小杉で私が思ってる女性ホームレスにそれをしなきゃ、本当の刺は抜けない。
(だけど、多分あの人はもうそういうの受け付けられない「感じ」がする。こういう場合の「感じ」は結構正しいので、実現しないだろう。)

でも。
「しなきゃ!」に即反応して行動を起こせた自分は、我ながらちょっとだけ大人になったと思う。(ってアンタいくつよ?)


「なにかをした事の報酬はそれをしたということだけ」。
思春期にずっと読んでいた漫画に出てきた、何かの引用。
だけど、大きい報酬だと思う。

ともあれ千円+メモ帳とペン+ビッグイシュー、で色々考えられたし、深い経験をしたよ。