ウズラ漬けの日々。

断片的に書いているが、ＴＶ番組の手伝いをすることになって、明治の名工の作品の再現をするパートをやらされている。
話が来た時すでに「全てを一ヶ月でやってください」という陶芸の実際を全く考えていないスケジュール。
「一刻も早く着手させてくれないとできませんよ！」とお願いしていたのに、名工の作品のある博物館とのスケジュール、化学分析をする偉い先生のスケジュールで遅れまくる中にあの大地震。

てっきり話は延期か流れたかと思いきや「撮るだけは撮るという事になりました」「撮影スケジュールはタイトで申し訳ありませんがそのまま進めさせてください」

ってことで本当なら次回の作品をじっくり練り直したり美術館のワークショップに関してアイデアをめぐらせているべき期間に、某明治の名工の作品に張り付いているリアルなウズラ（鳥の、あの鶉。）の部分を物凄い忙しいスケジュールで作っている。
明治の名工の超絶技巧の凄さや偉大さを発信する番組なのに平成のチンピラ陶芸家に急なスケジュールで再現させるってどうなのよ？
番組として私が出来なくて泣いている絵とかあればオイシイだろうけど、いまのところまだ泣くほど困ってはいない。
だんだんこちらに対しての要求がある意味図々しく慇懃無礼になっているので、私は超機嫌悪そうに写ってるとは思うけど。

明日は展覧会の搬出、美術館近くの陶芸用品屋に行ってワークショップで使う粘土の決定、３０日にはまた撮影隊がやってくる。
４月の半ばまで失敗もやり直しも出来ない無理すぎるスケジュールで撮影が進む。
ため息が出る。

でも。

「人がうろうろしていると作業に集中できない」「思いつきでアイデアを出されても陶芸は右から左にその場で出来るものではないですよ」「作業の要所要所を撮ってもらうのはいいけれど一日中張り付いていられると作業が滞るし、無理な日程でやっている中でそれではますますやりにくくなる」「撮影の都合で照明を制限されると作っている部分が見えないので作業が出来ない」

昨日の撮影スケジュール確認の電話でも今日来たディレクターさんにも言うべきことは言ってみた。
そうしたら少し向こうの慇懃無礼で強引な態度が変った。
無理な要求に私が最善を尽くしているの位はわかってきたらしく、照明は私のやりよいようにさせてもらったり、ずっと横で張り付いてみていないで外から室内で作業している私を撮ったり、少し配慮するようになった。


・・・・・・・・・・なんとかどうにかやり切れるさ。たぶん。

ところで・
前彼ちゃんのお誘いの温泉旅行は地震で流れ、そのあと仕切りなおして昨日・今日で展示に泊りがけで来るはずだったのも次々追加される撮影で中止。
人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られてなんとやら。
前彼ちゃんの「前」はなかなか取れない。