私が知っていた私が生まれた近辺の家庭事情は。

ある意味スピが好きな人たちが抱えがちな、「母親が私を身ごもりたくなかった」「父は息子が欲しかった」「生まれたときへその緒が巻き付いて仮死状態だった」「酷い折檻」「子供が多くて1人に充分な愛情を注げなかった」などの定番だったのだが。

定番を越えて私が子供の頃の私の存在の否定のされ方は凄まじかったらしかった。

胎児の時から家庭の中に暴力があったようだと指摘された。

「随分お母さんにコントロールされてますね~!」とも言われた。

「『わがまま』というワードに異常に反応しますね」とも。

そう、子供の多い私の家では「あんたはわがままよ!!」といわれればそれは「存在価値無しの人間のクズ」を意味した。

私は自分のしたいことだけは全存在をかけて貫いてきたので自分は「わがまま」と非難されてもしょうがない人間だと思ってきた。

が、カウンセラーさんによると「それは普通に自分の本当にやりたい事を正当にしてきただけで、『非難される』ことではありません」と言われてもなかなか受け取ることが出来にくくて、このスキーマを外すのにだいぶ時間がかかった。

規定の時間を少しオーバーでセッションが終わって、カウンセラーさんは「今までの考え方の癖があるから、これですっきりとは行かないかもしれませんが大体2週間くらいで落ち着きます」といい、別にこれからも通え、とか言わずあっさりしたもんだった。

で、私は他の体験談のように号泣したわけでもなく多幸感に襲われることもなく、なんだかただよるべない「脱皮したてのザリガニ」みたいな気分になった。

でも、心の中に強烈に「もう、絶対に人にコントロールされない!」という決意のようなものが点灯した。