Nsさん退室して1時間くらいで
吐き気はおさまってきた。
酸素マスクは無意識に外してた。
Ns「酸素、外さないでね」
私「酸素、何リットル?」
Ns「えーと、今は…4だね」
私「え、そんなに?」
Ns「呼吸が浅くなりがちだから一応ね。」
私「はーい。…おしっこ出そう」
Ns「あー、そうなっちゃったか。
バッグに出てるのよ〜、ホラ」
私「ほんとだ。この尿意やだな〜…」
Ns「バルーンが刺激しているのかな」
私「そか。じゃ、仕方ないか〜。」
Ns「痛みの方は?どう?」
私「う〜ん、すごく痛い。けど、
手術したんだから、そらそーだ。
って納得の痛さ。」
Ns「冷静〜。痛み止め追加する?」
私「して!してください!早く!」
Ns「アハハ〜、後で持ってくるね〜」
今じゃないんかい!って、も〜
笑わせないで〜、腹が痛いんだよ〜
膀胱パンパンな気がするけど
気のせいか〜。
ルートが引っ張られているのかな。
バルーンのベストポジションを
探るべく、ルートをコソコソ動かす。
ズレて気持ち悪いオムツを直したくても
腰が上がらない。うっかりテープを外し
戻せなくなった。ヤベ。
枕を動かすにも、頭が上がらず一苦労。
動けないのもツライ、同じ姿勢もキツイ。
ベッド柵に掴まり、腕力でどうにか
身体を左右に引き寄せてみたり…。
は〜、腕、疲れた。
急激に寒い!寒くてガタガタ震える。
そういえば、経験者が言っていた…。
体の中から震えがくるよ、って。
毛布を直すのも足の方が届かん〜。
足に機械が付いてて重い〜。
腹のど真ん中に巨大な釘を打ち込んで、
ベッドに固定されてる感じ。
酸素マスク、やはり無意識で外し、
途中で苦しさを感じて慌てて吸う。
けど、またいつの間にか外している。
Nsも最後の方は諦めて、
「せめて近くに置いて」
と、顔の横に置いてくれた。
何度も時間を見ては
「嘘だろ〜、30分しか経ってない…」
ああ〜気がおかしくなりそう。
「…ん?さっきより動けるかも」
途中から、一回寝る毎に
動ける範囲が数cm増える、と気づく。
睡眠と自然治癒力って凄いなっ!
1時間後は今より痛くない!
明日は今日より痛くない!…はず!
と信じて柵に掴まり、腕の力を
頼りに上下左右にズリズリ動く。
夜明け近くにやっと左側臥位に成功!
その2時間後、右側も出来た!
右はドレーンのせいですごく痛い。
夜通し体動チャレンジしたおかげで
服もおむつもズレまくり、ほぼ半裸に。
でも、長い夜を越えた!
乗り切ったぜ、って変な達成感。
朝の巡視のNsさんが
「…さすがに一回直しますか…」
と、着直させてくれた。