…ハッ!

あ、手術終わったんだ…

からの

オエエエ〜ッツ!!

気持ち悪ッ!吐きたいッ!

って言いたいのに、声が出ない… 


全身麻酔から覚めるときは

3人に1人くらいの確率で

気持ち悪くなるのは知っていた。

友人も「吐いたよ」と言っていた。

“乗り物酔いしやすい40歳未満の女子は

確率高いらしいよ”と聞いていた。

嘘じゃん〜。誰れ情報よ、それ〜。

やられたぜ〜!

自分もそっち側だった〜!


カッスカスの声で

私「た…ん…とっ て… 〜」

Ns「はい!吸引しまーす!」

ズゾゾゾゾゾ〜ッツ!!

私「…キモチッ…ワル…イ」

Dr「吐き気止め入れて〜」

私「…ッ…吐きそう…」

Ns「ビニール持っておく?はい。」

私「…起きれ…ない、…吐けん」

(バカ↑起き上がろうとすんな。)

だけど、実際、胃は空っぽ。

私「吐くものがない…」

Ns「でしょうね〜。」

身体が安定しない感じがする、

どこかに捕まらせて〜。

「手!危ない危ない」

と誰かが手を繋いでくれた。

必死に握りしめる。

「いいよ〜、繋いでよ〜ね」

手を繋いでもらうだけで

人ってこんなに安心するのか〜。

病室に移動の間、

天井の動きで目がまわる。

途中に、夫がいたような…。

ベッドが揺れるたびに呻き声。

私「ッウウ〜、オエ〜…」

Ns「もうお部屋についたよ〜」

私「は〜…個室で良かった〜。」

体を丸めたくて、足を動かしては

引っ張られて戻される。

丸まりたい私と、エアーマッサージを

着けたいNsとの攻防戦にあっさり負け、

きっちり全ての装備品をつけられた。

一戦終えて、Ns退室。


いよいよ、「術後、一番ツライ」と

諸先輩方が口を揃えて言っていた

長い夜が始まるのか〜。