インカ帝国展 | Looking Back , Moving Forward

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6月18日(火)

ものすごく良いわけでもないのにものすごい人が訪れているというインカ帝国展に足を運んだ。

わざわざ平日の午後に休み(有給)をとって行ったわけだが、結論から言うと素晴らしかった。

が、これは好き嫌いが分かれるのではないかと思う。

マチュピチュがフューチャーされているため、それを目当てに、つまりマチュピチュの雰囲気を味わいたいと思って行った人にはイマイチ。

インカ帝国そのものに関心がある人が行けば非常にお買い得な展示だろう。

それもそのはず、これは“インカ帝国”展なわけである。


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会場は京都文化博物館。

旧日本銀行の京都支店の建物。レンガ造りのレトロ建築、確か重要文化財。

学生時代はここの近くで週2回バイトをしていたので思い出深い場所でもある。


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平日の午後というのに大勢の人が訪れていた。

休日に来なくて良かったーと思うと同時に、インカ帝国に興味がある人がこんなにもいることに驚く。

中には80歳を悠に超えていそうなおばあさんまで来られていて、この人はミーハーなのか本当にインカ帝国に興味があるのかどちらなんだろうかと頭を悩ませた。


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入場料(1300円)とは別に音声ガイド(500円)もレンタルする。

これがまたハイテクで、写真の機械を紙に書かれた番号にかざすとその展示物にまつわる解説が聞ける。

展示内の解説がわりと充実しているので音声ガイドは不要だったかなーと少し後悔。


さて、展示は3つの視点から構成されていた。

1.考古学
2.人類学
3.歴史学



第1部 インカ:帝国の始まりとその本質
第2部 インカ:帝国の統治
第3部 滅びるインカ、よみがえるインカ
第4部 マチュピチュへの旅

このような構成は非常にわかりやすく且つテーマ性をもって見ることができるため良い試みだ。

特にミイラを用いて当時の生活習慣や歴史を考察しているあたりは非常に見応えがあった。
このミイラは漁師であった、貴族であった、などなどどれも論理的な考察がされている。
展示自体のクオリティも非常に高くて驚かされた。

ラストのマチュピチュへの旅は3D映像でマチュピチュ世界を堪能することができる。
完成度はかなり高いが、あくまでオマケとして楽しむべきだろう。
そうでないとすれば、もう少しマチュピチュの謎を解明する展示が欲しいところだ。

以下は特に印象的だったワード。メモ代わりに簡単に解説します。
あくまで僕が受け取った印象であったり、歴史観だったりも混入しているので注意して下さい。

【カパコチャ】

インカ帝国における子どもを神(自然)への生け贄にする習慣。

生け贄には容姿が美しい子どもが選ばれたという。

今の時代では当然考えられないような儀式だが、インカ帝国では重要なことだったのだろう。


 

【互恵制度】

インカ帝国では全てにおいて恵みには相互性があるものと考えられていた。

つまり、先のカパコチャも自然からの恵みを受ける代わりに生け贄を捧げていたのだ。

彼らは周辺国を侵略した際にも土地を奪う代わりに相手の族長に素晴らしいもてなしをしていたとか。

 


【キープ】

インカ帝国では文字というものが存在しなかった。

代わりに紐の結び目で数字や情報を表すキープ と言われる方法をもっていた。

これがまた男心をくすぐるロマンに溢れているのだ。


【チャスキ】

上で紹介したキープを運ぶ伝令係のことを言う。

この飛脚は広大な土地を繋ぐインカ道を走り抜けたそうだ。


【チャチャポヤス】

インカの最大の敵であり、一番欲しい土地でもあったチャチャポヤス。

ミイラの所蔵方法はじめ、インカを語る上でチャチャポヤスの文化は欠かせない。


【ピサロとアタワルパ】

インカ帝国の滅亡のキーマン。

簡単に言うとスペイン軍人のピサロがインカ帝国皇帝のアタワルパが討たれたことで滅亡したとされる。

少数のピサロ軍団と圧倒的多数のインカ軍という対立構図があったのに歴史はピサロに軍配を上げた。

そこにはピサロの巧みな戦略と当時のインカ帝国の内政事情などが複雑に絡み合って作られた一つの歴史をみることができる。


【インティワタナ】

マチュピチュ遺跡の中で一番高いところにある大きな石がある場所を言う。

インティ=太陽の~ ワタナ=結ぶ、つなぐ

つまり、そういう意味合いの神聖な場所である。




そんなわけで未だ謎のベールに包まれたインカ帝国を解き明かすヒントが盛り沢山の展示会だった。

過去の栄光を並び立てた展示会とは一線を画していた。




そういえばインカ帝国展に行く前にちょっとオシャレなイタリアンで一人ランチバイキングを決行した。

これで1000円なのかと驚かされるクオリティ。ピザ・パスタがメインだが、他のいわゆる“おばんざい”にも一工夫ふた工夫されている。

店内のお一人様客はどうやら僕だけらしく、随分とメンタルが鍛えられた。笑

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