ケアリングクラウンが病院の子供たちに与える影響について、研究の成果が出始めているようですね。
https://link.springer.com/article/10.1007/s00431-015-2652-z
この研究は定量的な方法で成果を出している最新の研究なのではないでしょうか。静脈血の採取(医学英語に疎いため誤訳かもしれません)に立ち会う子供たちを、(1)ケアリングクラウンも立ち会うグループ、(2)局所麻酔のクリームを塗って処置するグループ、(3)特に何もしないグループに無作為に割り当てて分析したようです。その結果、局所麻酔のグループが自己申告の痛みは最も小さかったものの、子どもが泣いている時間はケアリングクラウンが立ち会う時間が最も短かったとあります。また、保護者から見た子供の不安感もケアリングクラウンが立ち会ったときが最も小さかったようです。
実際に泣いている時間が短かったというのがよいですね。今後同様の研究が蓄積されていくことを期待します。
【蛇足】
日本の現状では、この論文で行われているような無作為化対照試験でケアリングクラウン(や遊び・芸術に関する活動)の効果を実証するのは非常にハードルが高いのではないかと僕は思います。質的研究の方が実行可能かもしれません。たとえば半構造化インタビューを行って、分析ソフトを使ってコーディングするといった作業をすることによって、子どもの心理面の変化を分析するのが良いかと考えます。もはや完全に自分の専門外の領域です。。