妊娠5か月になる奥さんと、話題の「万引き家族」を観に行きました。

この映画では、二人の子供が出て来ますが、両者とも他の家族から連れてきた子供という点が特徴的でした。主人公の安藤サクラ演ずる信代は子供がいませんでした。虐待を受けていた女の子や、パチンコ屋で放置されていた男の子、これらの不幸な境遇の子供たちを信代は我が家に引き込み、愛情あふれる形で育てます。一見誘拐かもしれませんが、意味世界では明らかに「愛ある家族」となっている点が哀しい感じです。

私は、血縁的や経済的な繋がりよりも、時間や愛情の繋がりこそが家族の存在価値と考えます。

ですので、単に血の繋がりがあるものの、愛情がない存在は家族ではなく、単なる人の集団と捉えるべきと思います。

他方、私たち夫婦は、養子縁組を真剣に考えていました。そのような私たち夫婦には、腹に効くボディブローのような映画でした。虐待を受けている子供たちは、お金はなくとも愛情あふれる家族の中で暮らせると良いですが。。。なかなか上手く行かない現代。ああ、無情です。

なお、万引き家族のストーリーでは、一つ課題がありました。松岡茉優演ずる裕福な家庭育ちの亜紀が、なぜ安藤サクラらと一緒に貧乏な暮らしてるのか、これがぼやっとしています。これが腹落ちしないために、ストーリーの説得性では課題があろうかと思います。

何はともあれ、家族の存在価値を考えさせる良作として、みなさまにもオススメします。