新造艦の名称は「イノウエ」=名誉勲章の日系議員に敬意―米軍
時事通信 5月25日(土)11時19分配信
【ワシントン時事】米海軍は24日までに、建造予定のアーレイ・バーク級イージス駆逐艦を「ダニエル・イノウエ」と名付けると明らかにした。2012年12月に死去した日系のイノウエ上院議員にちなんだ。
メイバス海軍長官は「命名により、真の米国の英雄に敬意を表することができて光栄だ。今後数十年にわたり、『ダニエル・イノウエ』は米国の象徴になる」と語った。同艦の就役は10年代後半以降になるとみられる。
イノウエ氏は第2次世界大戦中、日系兵士で構成する陸軍第442連隊に加わり、欧州戦線に従軍。負傷して右腕を失い、米軍最高位の「名誉勲章」を受章した。1959年、下院議員に当選し、日系初の連邦議会議員となった。63年に上院議員になり、死去するまで半世紀にわたって上院議員を務めた。民主党の重鎮として政界で重きをなし、日米関係の強化にも尽力した。
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生い立ち :祖父は福岡県、祖母・母は広島県の出身で、一家の失火による借金を返済する為に、1899年(明治32年)9月28日に福岡県八女郡横山村(現広川町・八女市)から祖父母の浅吉・モヨとともに渡米した父・兵太郎と母・かめ(旧姓:今永)のもと、1924年(大正13年)に当時アメリカの準州であったハワイのホノルルで生まれる。その後ホノルルの高校を経てハワイの名門大学であるハワイ大学マノア校に進学した。
第442連隊の英雄 :ハワイ大学在学中の1941年12月に日本軍による真珠湾攻撃が行われ、アメリカが第二次世界大戦に参戦した後、ハワイでの医療支援活動に志願、その後アメリカ人としての忠誠心を示すためにアメリカ軍に志願し、アメリカ陸軍の日系人部隊である第442連隊戦闘団に配属され、ヨーロッパ前線で戦う。
イタリアにおけるドイツ国防軍との戦いにおいて、1945年4月21日に右腕を失い、1年8ヶ月に亘って陸軍病院に入院したものの、多くの部隊員とともに数々の勲章を授与され帰国し、日系アメリカ人社会だけでなくアメリカ陸軍から英雄としてたたえられる。1947年に陸軍大尉として名誉除隊した。右腕を失ったことにより、当初目指していた医学の道をあきらめた。ハワイ大学に復学し1950年に同大学を政治学BA Government and Economicsを得て卒業した。ジョージ・ワシントン大学の法務大学院に進学し、1953年にJ.D.を授与された。 1954年に退役軍人のElton Sakamoto 、Sakae TakahashiらとCentral Pacific Bankを設立した。・・ウィッキより