ここ数日は、例のイソジンの話題で持ちきりでした。

 

あれは確か火曜日だったと思いますが、まさに寝耳の水という感じでした。

 

これにより、店からイソジンは消え、下手したら医療現場においても消毒液としてのイソジンも枯渇してしまうのではないかと危惧しました。

 

そして、何よりも心配だったのが、イソジンを無駄に希望する患者さんが増えるのではないかということ。

 

調剤薬局にどれくらいイソジンの在庫があるか知りませんが、そういう患者さんが増えることが予想されたことから、在庫がなくなることは容易に想像出来ますし、うがい薬としてのイソジンはほとんどの方にとっては必須の薬ではなく、私自身があえて処方することは基本的にはほとんどありませんが、可否については何とも言えないものの、ごく稀に長年の習慣として私が診る前から継続的に処方している方もいますし、何よりもあまりに需要が多くなると、消毒液としてのイソジンにも影響を及ぼす可能性も考えたため、私としては希望によるイソジンの処方は避けるように考えていました。

 

ただ、患者さんの希望に添えない対応をすると結構もめることもあり、円滑な診療を行いたい忙しい外来においては、とても悩ましい問題であり、あの報道後の外来はとても気が重かったのです。

 

 

しかし、蓋を開けてみれば、私の患者さんでここまでイソジンのうがい薬を希望どころか、話題にした患者さんすら、一人もいませんでした。

 

 

もちろん、その後すぐにその内容を疑問視する報道や釈明会見などが行われた訳ですが、実際に市販のイソジンは今でも在庫がない状態のようです。

 

 

これで気づいたことは、「患者さんは闘病生活の過程でちゃんと知恵を身につけている」ということです。

 

新型コロナについても様々な情報が飛び交っているようだが、それに翻弄されているのは、恐らく健常人だと思います。

 

例えばリウマチ膠原病で免疫抑制療法を普段から行っている方にとっては、人込みを下げること、手洗いを徹底すること、マスクを着用することなどは、今まで日常的に行ってきたことですから、特に生活については大きく変わりないという意見が多いです。

 

イソジンについても最初は気になったかもしれませんが、すぐにおかしいという情報が広まったため、患者さんも柔軟に対応出来ているのではないかと思います。

 

 

最近はツイッターなどで患者さんが発信する機会が増えてきましたが、もっと患者さんの生の声を発信することが大事だと思います。