私は熊谷と秩父に週に半日ずつリウマチ膠原病の専門外来診療を行って、もう少しで3年になります。

 

留学前には行田市という所で5年間外来をしていました。

 

ここで、参考までに埼玉県の地図をお示しいたします。

http://www.pref.saitama.lg.jp/a0301/saitama-profile/

 

熊谷市は人口約20万人の、日本で一番暑いことで有名な都市です。

 

その西隣には人口約14万人で深谷ネギやふっかちゃんで有名な深谷市があります。

 

行田市は熊谷市の東隣で人口約7万人です。

 

この3都市で人口は約40万人となります。

 

さらに、深谷市のさらに西隣にある本庄市、行田市の東隣にある羽生市を合わせると、人口は60万人近くとなります。

 

 

実は、これだけ人口も多く面積も広い範囲において、リウマチ膠原病内科医の常勤医がいる総合病院は一つもありません。

 

非常勤においても、私が知る限り全部合わせても10人いるかいないかです。

 

 

大学病院までは車で1時間以上かかります。

 

 

秩父市内の総合病院も同様です。

 

 

これは埼玉に限った話ではありません。

 

私の地元である愛知の尾張地方や岐阜の東濃地方もほぼ皆無だと伺っています。

 

恐らく、ほとんど全国的にこの問題が生じています。

 

 

私のブログにはリウマチ膠原病を患う患者さんが多く訪れているようですので、これがいかに大変な事態かということは、身にしみて実感しているものと思います。

 

これは診療している私達においてもそうです。

 

 

その結果、どのようなことが起こっているか。

 

現在熊谷と秩父でそれぞれ130人ずつくらい患者さんを診ています

 

私はこの3年間、沢山の患者さんを大学に連れて行き、診断をつけて治療を行い、元気に外来通院が出来る状態にしてきました。

 

リウマチ膠原病は非常に専門性の高い疾患です。

 

私が大学の環境で最前線で診療に関わり、大学と直接のつながりがあるからこそ救うことが出来た患者さんは沢山います。

 

それでめでたしめでたしとは思っていません。

 

むしろ問題視しているのです。

 

 

専門医がいれば救われるということは、いなければ救われないということです。

 

それがいわゆる無医村と呼ばれる僻地ではなく、熊谷や深谷のような大都市、全部合併すれば一政令都市になるくらいの地域において、このような事態が起こっているのです。

 

 

リウマチ膠原病内科が世間でクローズアップされることは、ほとんどありません。

 

大学医局内の専門医が2-3人で単科で存在しない所も沢山あります。

 

 

まずはこの現状を知って欲しいのです。

 

医師不足は深刻な問題ですが、リウマチ膠原病内科医がいかに不足しているか、知っている人はほとんどいません。

 

私の悲痛な叫びが少しでも届くように、精一杯情報発信していきたいと思っています。