ご存じのように、昨日、非常に衝撃的なニュースが入りました。
あの件について、私を含め多くの方が安楽死や尊厳死について問題提起されました。
最初にニュースの第一報が来た時には、ALS患者さんの苦しい現状を目の当たりにして、その想いから起こした行為だと想っていました。
しかし、残念ながらお金を受け取っていたこと、過去の書籍やツイートの内容、そして犯人の妻のブログの内容から、歪んだ思想が引き起こした殺人事件であったものと考えます。
安楽死・尊厳死問題は、医療従事者であれば誰もが真剣に考えるべき問題であると思っています。
そして、とてもデリケートな問題であることも理解しております。
ただ、未だ十分に議論が進展しないのは、議論している人達が現状を知らないからだということは、みんな感じていることだと思います。
現場の状況は安易に発信する訳には行きません。
結局、こういう事件にならないと、問題提起されないのです。
しかし、とても残念なことは、今回の事件において、安楽死や尊厳死を正当化することは、この事件を正当化することにつながりかねないこと。
これは全くもって違うのだが、現状ではそういう風になりかねない。
私も実体験において思う所があり、もっとこの問題について問題提起したかったし、思う所は述べたかった。
しかし、それは今の現状ではタブー視せざるを得ない。
もちろん、この事件自体は色々と問題提起することはあるのでしょうが、下手に突っ込むととんでもない誤解を招く恐れがある。
私はこの件については今後は触れないようにします。
しかし、よく理解していただきたいです。
安楽死問題・尊厳死問題は非常に重要な問題であり、十分に議論する必要はあります。
私もこの患者さんにどうすべきだったかということについては、本来であれば考えるべきことだと思います。
しかし、この事件は歪んだ思想により引き起こされた殺人事件です。
このようなことが起こってしまったことは、あまりにも無念でなりません。