最近ブログが本当にカメ更新になっています。

 

しかもたまの更新もまともな内容が書けずに、何か申し訳ないなあと感じています。

 

その一方で、ツイッターは定期的にツイートしておりますので、もしよろしければよろしくお願いいたします(アカウント@takkman_rheum)

 

 

今日は最近私が診た患者さんのこと。

 

詳しい内容は個人が特定される可能性もあるため、非常に大雑把に少し脚色して書きます。

 

年齢はまだ40代前半。

 

10年近く前に関節の腫れを自覚したため、近くの整形外科を受診。

 

その時下された診断は少なくとも本人は知らない。

 

それから10年近くその患者さんに行われてきたこと。

 

それは腫れた関節の水を抜く、ただそれだけ。

 

貯まっては抜く、貯まっては抜く、ただそれだけ。

 

しかし、よくなる兆しはなく、数年前から症状は増悪し、精神的にも病み、ほぼ寝たきりに近い状態となってしまいました。

 

それでも、現在に至るまで何も進展することなく、ただ腫れた関節の水を抜くのみ。

 

にもかかわらず、年余に分かって一度もレントゲンを撮られることはなく、レントゲンを撮影したのはまさについ最近。

 

時は10年近く経過。

 

そこで映し出されたレントゲン画像は、明らかに正常の人とは異なる所見でした。

 

それから色々な病院で精査が検討されたが、原因は不明であり、精神面の問題もあったことから、精神科の対応が可能な当院に紹介となり、現在私が診ているということです。

 

ここまでの経過と本人の姿を見て唖然としました。

 

私とそれほど年が変わらない人がこのような姿になってしまったこと。

 

精神面の経過についても精神科医の診察により色々と分かりました。

 

その患者さんは後ほど私が指導している研修医にこう言ったらしい。

 

「こんなにちゃんと診てもらったのは初めてだった」と。

 

実はまだ診断はついていないものの、診断に必要なプロセスは分かっていますので、必ず診断をつけようと思っている。

 

そして、診断さえつけば、絶対に元気になれると思っている。

 

しかし、それにしてもあまりに時間が長すぎた。

 

現代の日本において、ここまで極端な例は少なくなってきたと信じたいが、それでもやはり悲惨な医療を受けてきた例は経験する。

 

こういう例に対して「後医は名医」という言葉を使うのは私は嫌いです。

 

この例に関して言えば、若い人に対して診断に必要な原因検索を行わずに、しかも年余にわたって、さらに症状が進行しているにも関わらず、ただ関節の水を抜くという安易な対症療法だけというのは、犯罪に近いレベルです。

 

おそらくその患者さんは極めて稀な病気に罹っている可能性が高いです。

 

それを最初に診断するのは酷ですが、分からないのであれば、もっと早く大きい病院に紹介するとか、なぜこういう発想になれなかったのであろうか。

 

30代から40代にかけて、やりたかったことはたくさんあったであろう。

 

それを壊されてしまったのは、もちろん病気もそうなのですが、こればかりは受けてきた医療により人生を壊されてしまったのは明らか。

 

何とか修復してあげたいのだが。

 

こういうのを見ると、「誤った医療が患者さんの人生を壊す」ことを改めて実感しました。

 

もちろん、私自身もそれは十分に気をつけなければと思っています。

 

こういう現状を打破するために、私自身も医療のあるべき姿を追求していきつつ、発信に力を入れていきたいとますます思っております。