最近、医師の労働環境について社会問題となってきています。

 

時間外労働の常態化。

 

私もその点については思う所は山ほどあります。

 

こればかりは、一つの記事には到底書ききれませんので、問題点を小分けにして、これからも思いついたら記事にして行こうと思います。

 

そこで、今日のテーマは、医療の現場のみならず、おそらく日本全ての職場内に存在するであろう、悪しき風習。

 

それは、「上司より早く帰ってはいけない」という風習。

 

これ、本当にどこの誰がこんな風習を作ったのでしょうね。

 

私からしてみれば、こんな馬鹿げた風習はないと思います。

 

いわゆる「体育会系」によるものと思いますが、そこにどんな意味があるのでしょうか。

 

下は上よりも働けということ。

 

考え方次第では一利あるようにも思います。

 

しかし、下と上では仕事の内容が大きく異なります。

 

下の方が上よりも早く仕事が終わっても、だからと言って上よりも努力していない、ということにはなりません。

 

また、上が仕事をしていればまだいいです。

 

酷い場合だと、上が遊んでいるにも関わらず、下が帰れないということも、よくあります。

 

上が同僚とぺちゃくちゃおしゃべりをしている中、意味もなく近くでただ座っているだけの下の姿を見たことがある方も多いと思います。

 

 

職場内で立場の弱い人達は、特にこの日本の環境においては、常に上のことを気にしながら行動をしている場合が多いです。

 

それは下の人間にとっては非常にストレスになることです。

 

 

もっとも、最近は「上司より早く帰ってはいけない」ということを露骨に言う人は減ってきていると思います。

 

しかし、実は一つ重大な問題があるのです。

 

それは、「鈍感で気が利かない上司」です。

 

これは、非常に重要なことです。

 

上司は必ず部下に対して「解散」の指令を出さなければなりません。

 

でなければ、部下はいつまで経っても帰りません。

 

帰っていいか分からないのです。

 

帰りたかったら帰っていいに決まってるじゃない、と思われますかもしれませんが、それは違います。

 

なぜなら、「上司より早く帰ってはいけない」は「暗黙のルール」なので、上が言わなければ誰も判断出来ないのです。

 

逆に、上に言われずに自分が帰りたいから帰った場合、実はそれがダメな上司である可能性もあるのです。

 

だから、上司にその気がなくても、それは今のこの日本の文化においては、言わなければダメなことだと思います。

 

そして、もし「上司より早く帰ってはいけない」という考えに反対であれば、ちゃんと自分が反対していることを部下に伝え、自分が好きな時に帰っていいことを伝えるべきです。

 

私は自殺や過労死が起こったほとんどの職場に、そういう風習が影響していたのではないかと思っています。

 

これこそ、絶対に撲滅させなければならない悪しき風習です。

 

もしこのブログを読まれている方で、心当たりのある方は、すぐに止めて下さい。

 

この「上司より早く帰ってはいけない」は何も生みません。

 

そして、そのつもりがなければ、ちゃんと部下に終わったら帰るように伝えてあげて下さい。