おかあちゃんは満州生まれの満州育ち。

明るく前向きで、行動力のある長女。

 

父親は満州の警察署長で、厳しかったそうだ。

黒縁メガネに大きな口髭、質実剛健の象徴のような写真が残っている。

 

文学少女であるおかあちゃんは、父親とぶつかった。

隠して読んでいた小説が見つかって、全て燃やされたときはさぞ悔しかっただろう。

 

三姉妹の長女だが、皆変わり者。

これからは女も職を持たねばならないとの父親の考えで、三人揃って看護婦学校へ。

三人揃って同じ病院に就職。

 

三人揃ってはそこまでで、数年後にはバラバラの人生。

 

末の妹は渡米、真ん中はお医者さんと結婚、おかあちゃんはおとうちゃんと見合い結婚。

 

働き者で遊び人。

日直、当直、週のほとんどが長時間勤務。

休みを見つけては、看護婦仲間と旅行三昧。

スキーや温泉。

 

昇進テストの手伝いで、発表資料のグラフをよく作らされた。

 

仲間と遊ぶための別荘には麻雀セット。

毎週のように別荘に行くようになったが、その途中で交通事故。

あっけない最後。

57歳だった。