以前教えた子の話しをしようと思います。


その子は男子の双子でした。一方は知的障害がありますが、どちらかというとやや健常者寄りの感じでした。こちらは私は担当しませんでした。


で、他方は自閉症スペクトラム持ちなのですが、IQがめちゃくちゃ高く、幼稚園が英語教育に心血を注いでいる某幼稚園なため、本人は語学に物凄く堪能な感じでした。完全なギフテッド児で、英語もペラペラで、女子ならデチューンしてジャパニーズイングリッシュ風な発音でクラスに溶け込もうとするんですが、その子はガチンコでネイティブな発音をしていたこともあり、クラスでは浮きまくりでした。


そうした経験から、お母さん判断で中学では普通級ではなく、なかよし学級を選択しました。おかげでやれ提出物とか、テストとかにあまり縛られずに、お母さんの予想よりは中2までそれなりな通信簿がもらえ、中3時に満を持して普通級に入りました。能力に凹凸があるこの子は明らかに普通科向きではなく、かと言って英語力を活かそうとすると男子なので、英語科がある高校というと主に女子校が多く、さりとて公立高校の英語科も女子だらけになるので、結局高校でも『内申・評定ゲーム』にその身を置かざるを得ない感じになり、内申・評定が取れないことが確定してるこのギフテッド児には酷な話しです。


そこで私は

国立福島高専ビジネスコミュニケーション学科

をオススメしました。埼玉県民にはあまり馴染みがないかも知れませんが、実はこの国立高専は埼玉県には1つもない学校なので、馴染みが薄いんですよね。


福島ゆえに、埼玉からでは通えないので当然寮生活ということになるので、凹凸がある子なので、馴染めなかったらとか、寮生活なんて寝坊助なこの子が本当に出来るのか?と、お母さんは当初めちゃめちゃ反対でした。


そこで出てきたのがお父さんでした。埼玉県民にはあまり馴染みがないこの国立高専、実は5年制の学校で卒業すると『短大卒同等』という感じになるんですが、今時は高専専攻科や国立大学三年次編入をして進学する人が少なくないのですよ。


しかもこの福島高専ビジネスコミュニケーション学科は全国で4か所しかない数少ない文系学科を持つ国立高専なのですよ。

国立高専=電気・機械・情報・建築・土木という工業系学科のイメージが強いのですが、ここの高専は公立高校や私立高校と違い、学問的受験的な英語ではなく、名前の通りビジネス英語なので、生きた英語を学ぶというよりも会得する学校なのですよ。


しかも、国立高専ゆえに、ここの先生は教諭ではなく、教官とか准教授と言った大学寄りの感じで、自閉症スペクトラムなこの子は向きな感じなんですよね。

モデルケースとしたのがこちらのNaoyaさんでした。


高専だと、好きなことに打ち込んでも、結構みんな浮いてる人が当たり前のように居る技術者の世界なので、自閉症スペクトラムな彼でも行きやすい世界かなって考えて、高専を勧めました。


この子の他にも結構私が教えた子で、埼玉という高専が1つもない街に住んでいながら、群馬高専や小山高専、都立産業技術高専に進学させてます。


特にこの中で、都立産業技術高専の荒川キャンパスは埼玉寄りにあるし、都立でも県外受験を認めている珍しい学校

都立産技高専都外受験生募集

だったりしますし、荒川ゆえに三郷や草加などの埼玉県南部の方はわりと通学圏内なんですよね。しかもこの都立産技高専は日本では珍しい航空宇宙コースがあり、キャンパス内には飛行場があって

鳥人間コンテストにも出場してる学校だったりします。


割もギフテッド児でも浮いても目立たない学校なので、生きやすいのではないでしょうか。