前々回まで、3回に渡り、埼玉県の公立高校入試の社会科地理と歴史の過去問分析をしてきました。


分野別にみてみて、埼玉県の公立高校入試には記述問題がやたら多いことに気がつきました。近年、この記述問題はどこの都道府県も誤採点を警戒して問題数を減らしてる傾向ががあります。が、こと埼玉県はその辺りには目をつぶってるのか、採点に自信があるのかはわかりませんが、強気な姿勢を崩してない稀有な公共団体ですね。


まずは歴史の記述問題は、

2023:江戸初期と昭和初期

2022:室町時代と明治初期

2021:平安終期と明治・大正

2020:江戸初期と大正時代

2019:江戸初期と昭和初期

2018:江戸終期と大正時代

2017:平安中期と昭和戦前中

2016:古墳時代と昭和初期

2015:江戸終期と大正時代

2014:室町時代と昭和中期

というように、必ず2問出題されていて、かつ1問5点配点で計10点という得点配分がデカめなのが特徴である。


さらに時代別に集計すると

古墳時代1回

平安時代2回

室町時代2回

江戸時代5回(初1・中2・終2)

明治時代2回

大正時代4回

昭和時代6回

となり、特に江戸・大正・昭和時代が圧倒的に出題回数が多いことが分かる。


苦手な人は範囲が小さい

第一次大戦後〜第二次大戦までの昭和元年(1926年)〜ポツダム宣言(1945年)までに絞り込んでやるとめっちゃコスパいい勉強が出来て狙い撃ちしやすかろう。余力があればたった15年しかない大正時代(1912〜1926)もやれば、確実に5点はゲッツ

出来ててしまう。


次に地理の記述問題だ。

2023:日本と世界の気候、中部の産業

2022:欧州とアフリカの農業、北海道の工業

2021:北南米と中近東の気候、近畿の地形

2020:アジアの乾燥帯、地図読取

2019:オセアニアの工業、四国の農業

2018:北欧の気候、四国の農業

2017:日本とオセアニアの工業、北海道の農業

2016:欧州の気候、日本の工業

2015:世界の熱帯、中部の気候

2014:世界の自給率、中部の人口分布

2013:北欧と北海道の気候、北海道と千葉の農業

という感じだ。


まずは地方毎に集計すると

【世界地理】

総論・全般:3回

欧州:4回

北南米:1回

アフリカ:1回

アジア:2回

オセアニア:2回

 【日本地理】

北海道:3回

関東:1回

中部:3回

近畿:1回

四国:2回

地図読取:1回


【世界日本(分野別)】

気候:8回

地形:2回

工業・産業:4回

農業:7回

という具合いだ。

地理の記述に関しては1つの傾向が出た。それは

世界はヨーロッパ

日本は北海道と中部地方

分野別には

気候と農業

が頻出テーマである。


ヨーロッパの場合は

①地中海性気候と西岸海洋性気候、北欧のツンドラ気候とタイガ気候

②混合農業と地中海式農業、酪農


北海道の場合は

①亜寒帯(冷帯)

②酪農、稲作、畑作


中部地方の場合は

①太平洋側の気候、日本海側の気候、中央高地の気候

②電照栽培、近郊農業、施設園芸農業

この辺りを中学のワークに戻って、しっかりやり直し欲しい。


Amazonや書店で社会科の記述問題集1冊を苦手な方は上記の時代・地方・分野を絞り込んでガツンと深くやりこんで、モノにして欲しい。なにせ埼玉県の記述問題は地理と歴史と公民で25点を占める凶悪な県なので。