また愛すべき映画たちにいっぱい出会ったので発散していきたい。
デスレース2000
時は西暦2000年、公開当時から見れば未来のアメリカ。
国民は国を挙げて開催される大陸横断カーレースの観戦に熱狂していた。このレースは道中で人を轢き殺した分だけポイントが加算されるという恐怖のデスレースなのだ。ディストピアで繰り広げられる命懸けの数日間が始まる。
この設定でこういうのもなんだがコメディ映画です。レースの道中では罪のない人々がパッカンパッカン轢き殺されたり跳ね飛ばされたりするのだが情緒もへったくれもあったもんじゃない。そもそも国を挙げてのデスレース期間に国道に近づくな。
(レースが老人の安楽死に用いられるという世界観に根付いた設定は素晴らしかった)
レースの出場者もぶっとんだやつらばかりである。まず上にあげたパッケージ画像、左上にいるダースベイダーの進化前みたいな怪人が主人公「フランケンシュタイン」。主人公だけど気に入らないやつは轢き殺す。
他にも機関銃をぶっ放す「マシンガンジョー(シルベスタースタローン)」やら牛を模した車に乗る「カラミティジェーン」やら変態共の大パレード。
レースの参加者同士の殺し合いも見どころなので誰が生き延びて誰が犠牲になるのか予想しながら見ると楽しい。
設定的にはシリアスなのに、このトンチキなキャラクターたちがイキイキと殺人レースを楽しんでいる妙にカントリーな作風が面白すぎた。あまりに殺人に向いてなさそうな車デザインも良い。
もうお気づきの方もいるかもしれないが、楽しみ方は「チキチキマシン猛レース」と同じなので風邪を引いた日に家で見る映画にピッタリである。是非。
日本語訳のセンスが好き
サイコ・ゴアマン
チェンソーマンのタツキせんせーも大好きなサイコ・ゴアマン。準新作落ちしてたのでやっと見れた。
封印を解かれた残虐な宇宙人が地球に残虐なことをしようとしたら唯我独尊の権化みたいな少女ミミに命令権を握られて困ったなあというお話である。
このミミという少女、倫理観なぞ持ち合わせてはいないので民間人に犠牲者が出てもなんら心を痛めることはない。狂犬の手綱を狂人が握っている恐怖がこの映画の見どころだ。
だが残虐な宇宙人「サイコ・ゴアマン」(命名ミミ)がミミ一家と徐々に絆を育んでいく過程は普通に熱いから困る。くそっ「サイコ・ゴアマン」で熱い気持ちになるなんて悔しい...!
バンバン!
近所の映画館でやってた。ありがたい。
アメリカの「ナイト&デイ」のインドリメイク作品なのだが、僕はこの作品をまだ見ていないので完全初見。
このダンスシーンもナイト&デイにあるのか!?
フライボードバタフライはあるというのか!?!?
気になってしょうがないので今度ナイト&デイの方も見よう。
バンバン!は主人公のラージヴィールをひたすらカッコよく撮ろう、という気概に満ち溢れた映画である。
たとえば彼は30分に1回くらい服を脱ぎ、その満ち満ちた筋肉を大画面で我々に見せつけてくる。サブリミナル筋肉だ。
キャラクターとしては優男でスタイリッシュで時々弱いところを見せるという初恋キラーみたいな性質である。映画館がラージヴィール夢女子生産機になっちゃうよ。
見ると健康になるタイプのマサラムービーなので疲れた時に是非。
恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム
また転生モノか...と言われがちな昨今。インド映画も(輪廻)転生モノをよく見かける。
この作品も例に漏れず「一度目の人生で殺され、転生後に復讐する」という超王道転生映画だ。
しかし「王道」というジャンルは面白いから「王道」と呼ぶのである。この物語も大変素晴らしいカタルシスを提供してくれた。
しかしこの映画でフォントを大にして言いたい点は「音楽がめちゃくちゃかっこよかった」。
音楽はあまり詳しいジャンルではないので的外れかもしれないが舞台歌劇のような派手さ、勇ましさを感じる。(日本で宝塚リメイクもしていた)
今まで聴いてきたインド映画音楽の中でもダントツで耳に残り、何度でも聴きたくなる名曲揃いであった。
また、エンディングの映像は制作陣の遊びの極みみたいな代物となっているので必見である。
ファンタスティックプラネット
TSUTAYAでなんとなくDVDを物色してたらこのパッケージがヌッと出てきてすごくびっくりした。
この絵柄のアニメーション映画である。絵本のイラストが動いているような、不気味で面白い空気感。
人間に近い見た目のオム族(パッケージ画像左下)と、オム族から見て超巨大な文明人ドラーグ族(パッケージ画像ほぼ全部)の世界を描いている。支配するものと虐げられるものの軋轢が主に語られるところ。
あまりにも絵柄の方が印象的に残るが、ストーリーの方は凄くしっかりしたSF作品で見どころがある。
ドラーグ族の用いる兵器や文化、星に生息する生き物たちの生態などSAN値がゴリゴリ削られそうな悪夢感も大変好み。
中でも僕が好きだったのは、檻のような植物?に閉じ込められた、しかめっつらの何か。
この檻の外に出たピロピロしたもので鳥のような生き物を誘き寄せるのだが、その鳥のような生き物を食べるでもなく、ただスパーンとはたき落としてガハハと笑う謎の生態の持ち主なのである。
この植物の下には夥しい数の死体が転がりまくっている。
檻型の植物の様な外側は体の一部で、根っこから死骸の養分を吸収するのだろうか。考察が捗るトンチキ生物がいっぱい出てきて楽しい。
設定資料集とかあったら絶対面白いな。
この映画、さぞマイナーな掘り出し物だろうと思って友人との会話でこれみよがしに話題にあげたら「ああこれ、前に流行ってたよね」と言われた。
そうかい。
#マンホール
映画館で上映が終わりそうだったが滑り込みセーフ。
マンホールに落ちた男が脱出しようとする話。はたして本当に「落ちた」のか。
こういう息が詰まりそうなシチュエーションスリラーを映画館で見てみたかった。
家の快適な環境でほくそ笑みながら見るのも良いが、映画館という他の情報が一切ない閉塞空間で見ると当事者の恐怖を体感できる気がする。これも楽しい。
マンホールの底というあまりにも狭いシチュエーションにもかかわらず、SNSで女性になりすまし助けを求める、なんだか汚い物質が溢れまくるなど、様々なイベントが発生するため2時間いっさいダレることなく楽しめた。
情報が絶妙に小出しされるので「どうせこういう真相なんでしょ?」という予想はまず当たらない。予想できたらもはや予知か制作関係者である。なすがままにビックリしよう。
世の中愉快な映画がいっぱいで幸せですね。またストックを貯めておみまいしよう。
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