節約の第一歩は自炊からである。


僕も頑張って自炊をしようと思ったのだが、うちのキッチンは「ガスコンロ!流し!完!!」という自炊をさせる気がさらさらない環境だ。


水がキッチンの垣根を越え、己の足にぶちまけられる恐怖と闘いながら調理をするのは精神衛生上大変よろしくない。正直調理における労力と成果が見合っていないのである。



これは自炊一日目の料理「にんじんのカレー粉がけ」だ。もうにんじん切って炒めただけで嫌になっちゃったことがよく分かる。


我ながらこの世の終わりみたいな食べ物を作ってしまったがカレー粉というものは偉いもので普通に美味しい。



あとは一人暮らしの味方、お米である。


僕は高速で炊けてお弁当のようにそのまま食べられるというオサレな炊飯器を買ってみた。

こういう愉快な家電を見ると買いたくなってしまうのが人間のサガ。さっそく一台買って米を炊こうとしたのだが、




使用0回目で蓋がぶっ壊れた。


カチッてはめるところがぜんぜんハマらず、えいっ、えいってやってたらバキッといったのである。もう嫌になっちゃった。


しょうがないのでしばらくはマグカップにひたすら物を詰めて蓋の重石にし、ついでに冷凍ブロッコリーを解凍したりして使用していたのだが


接続プラグのゴムのすきまから水が入ったらしく、振るとチャプチャプ音がするという火事まっしぐらな事態に陥った。使用中止だ。


しょうがないのでフライパンで米を柔らかくした。



そしてカレー粉をかけて食った。カレー粉は偉大だ。

後日炊飯器を買った。


すっかり調理の過程に苦しめられた僕は今、それらの過程を一切無くしたメニュー:炊いた米に納豆とキムチと卵をかけて一気に食うという微ビビンバで毎日を過ごしている。体の半分はこれらでできていると言っても過言ではない。


次に引っ越す時はまな板が置けてシンクが大きいキッチンのある部屋にしよう。そう心に決めた12月であった。