犬と散歩していると20%くらいの確率で子供が話しかけてくれるのだが、これがなかなかに困ってしまう。
なぜかというと「見知らぬ子供とどんなスタンスで会話すればいいのか分からないから」だ。
大体の流れはこうだ。
子供「ワンちゃんだかわいい!」
↓
僕「こんにちは」
↓
子供「触ってもいいですか」
ここだ。ここで子供の会話の対象が犬から僕に移るのだ。さー大変だぞ。
まず子供との会話は敬語がいいのかタメ口がいいのか。距離感が非常に難しい。
「親しみやすいお兄さん」となるのであればタメ口であろう。「いいよー優しくお尻を撫でてあげてねー」と明るくフレンドリーに接すれば人類皆友達。世界平和の第一歩を踏み出せるのだが、
「触ってもいいですか」なんて敬語を選んでくれる小学生に対して、タメ口を使うなんて子供を舐めてるみたいじゃないか...!?
むしろこういう場面で敬語を使えるからこそのジェントルメェンなのではないか?
小学生も「凄い。この人ジェントルだなあ」「僕も私もジェントル(ウー)マンを目指すぞ」と将来有望な目標を抱くに違いない。あとなんかフレンドリーだと誘拐犯みたいに思われそうでいやだ。
そんな訳で子供に話しかけられると心の中のジェントルとフレンドリーお兄さんがバチボコに殴り合う訳である。しかし僕は性根がフレンドリーではないので大体ジェントルの開幕KOアッパーカットが決まる。
子供「触ってもいいですか」
↓
ジェントル「良いですよ。お尻の方を撫でてあげて下さいね(お茶を注ぎながら)」
すると大体会話が派生することなく、一撫で二撫でした子供は「ありがとうございました」と礼儀良く去っていき、僕も一礼をして別れていくのであった。
そんな静かな争いを繰り広げていた僕だったがこの前小さな事件が起きた。
それはいつものように子供(少女)が話しかけてきた時のこと。
少女「触ってもいいですか」
↓
ジェントル「良いですよ」
↓
少女「わー、可愛い!!」
↓
少女「うちも犬を二匹飼っているんだよ!◯◯ちゃんと◯◯ちゃんって言うんだよ!」
あああああいきなりフレンドリー!
心はすっかりジェントルだったのに向こうからフレンドリーになりよった!
嬉しいよ。心を開いてくれるのは嬉しいけどそんな急にタイプチェンジされるとこちらも心の殴り合いを再開しなければならないわけでして。
不死鳥の如く蘇ったフレンドリーお兄さんと心の折れたジェントル(ただの陰キャラである)。その戦いはダルダルの泥試合となり
僕「へ〜そうなんだ。モコモコしてるんですか。プードル?へ〜それは可愛い、ですねぇ。」
フレンドリーとジェントルの混ざり合った一番の不審者が誕生してしまった。現在進行形で会話が失敗していることに気がつく心境は会社の面接さながらである。
しかしこんな不審者を前にしても少女は己の飼い犬の素晴らしさを次々に語る。何かゾーンに入っているのか、ってくらい語る。すると少女は突然横断歩道を全力疾走で横断。くるっと振り返り
少女「さよーならー!」
と向こう岸から全力の別れを告げダッシュで去っていった。
こちらの不審者ぶりがどうでも良さそうな子だったので安心した。
思えば僕は人の会話に合わせるタイプの人間である。
大体高校生以上の人との会話というのは、会話の流れというかテンションが一定で論理的、ムラが少ないのだ。だから会話の流れに乗りやすいのだろう。
しかし子供はそうはいかない。あのテンションの振れ幅と確固たる自尊心からなる会話の独裁性が生み出す会話の流れは天竜川もビックリの大激流なのだ。これはもうお手上げですわ。
幼稚園の先生って凄いんだなぁ。しみじみ思うまる子なのであった。
おまけコーナー〜副作用がもたらした悪文〜
モデルナワクチン2回目の副作用で夜中に立派な高熱が発生しましたとさ。「この苦しみを今書きあらわさねば!」と朝の4時にうなされて起きた僕の起き抜け感想文がこちら。
寝る前に「月姫」をやったせいか随分とよく分からない抽象表現ワールドに行っていたらしい。
僕は高熱を出すと毎回自我を忘れて「自分は焼肉炒めになった」と思い込む風潮がある。今回はコチュジャンで味付けされていたようだ。高熱を出したら焼肉になるというストレートすぎる発想。嫌いではない。
朝8時には無事、濃縮された固体になっていたのでめでたしめでたし。でも一日中38℃に苦しめられていたので副作用は大変だった。なんなら2日目も微熱が続いた。大変だった。
おまけその2
Tシャツ販売再開しました。Tシャツを作ってみたかったからしょうがない。
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お気に入りはタピオカ大魔人。
ただしタピオカブームは去っている。
お値段3千円。GUならもっと安くていい服が買える。でも原価がそれなりなので許して欲しい。
家着で背徳感を味わいたい人は是非。