声 | タッカ オフィシャル

タッカ オフィシャル

caffe’くあふぉり を拠点に活動
音楽ユニット『カポ』を結成
FMいるか『タッカの夢 ヴォイス』担当

真っ二つに折れた体から剥がれ落ちた、いくつもの鱗は、ゆっくりと下降して行った。

そして、とらえたはずの声は泡となって上昇して行った。

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奪われた時間は、別の水槽のガラスの向こう側で泳いでいる。いくら叩いても、この小さなヒレでは何の役にも立たない。体をぶつけたところで、鱗は剥がれ、時間が埋もれる海底へ下降して行くだけ。

諦めの無い無意識は、やがて体に亀裂を入れた。

時で埋れた海底の中に、あの日忘れた鱗がまだあるんだ。この折れた体と剥がれ落ちた鱗は、ゆっくりと下降し又無意識の中に身を委ねるだけだ。

せめてこの声だけ、泡となって上昇してくれないだろうか。そして、あの月を目指してくれないだろうか。



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