壁はある | とりあえず、できるといってみよう!

壁はある

渡米して四年も経つと、出会った人より別れた人の方が多いんじゃないかという錯覚に陥るくらい、人が去るのを見送ることになる。駐在の人、留学の人、研究員として大学に来ている人、MSインターンの人。会社でも、100人以上は見送ってるんだろうな。SNSで繋がることはあっても、基本的には一期一会。国に帰る人は、満足して帰る人、志半ばで帰る人、初めから帰るつもりだったから別に、という人、様々。

ソフトウェアエンジニアとして(僕がまだ半人前でソフトウェアエンジニアと呼べない程度なのはとりあえず置いておいて、)アメリカはいいとこだ。僕は、実力があるのに日本で腐ってる人には、無邪気に「きた方がいい」という。これは宗教みたいなもんだ。結婚も、宗教も、渡米も、自分が良いと思うものを勧めずにいられない、良かった漫画を勧めるくらいの感覚。その点、竜さんの本はとてもバランスよく書かれていた。みんな宗教勧誘には辟易という感じか。

壁はある。ビザの壁、言語の壁、学歴の壁、人種の壁、才能の壁。学歴も、細かく言えば、専攻の壁、学士、修士、博士の間の壁、日本の大学か、アメリカの大学か。配偶者による制限、子供による制限、親による制限。景気や、会社の方針や、アクティビストによる突然の変化。たぶん一つ一つ検討していくと、悪いことの方が多い。みんな、壁を乗り越えるか、避けるか、当たっても無かったことにして、今日も「アメリカきた方がいいよ。給料高いし、仕事楽しいよ」と言うほかない。自分がいつ越えられない壁に当たって弾き飛ばされるかは知らない。その時が来たら、その時考える。