色々と | とりあえず、できるといってみよう!

色々と

今、東京に向かう飛行機の中にいる。今回は行きは一人。エコノミーの窮屈な座席で、いろいろ考える。

2011年10月にアメリカに引っ越して、翌年の4月に一ヶ月ほど帰り、今回は二回目の一時帰国だ。長男が小学生になり、春にドカンと帰るというのも今後は難しい。妻は今三人目を妊娠中(またまた男の子!)なので、今後日本に帰るのはさらに難しいかもしれない。金銭的にも、体力的にも。次いつ帰れるかわからないので、今回の滞在は特に楽しみだ。予定がつまり過ぎで自由時間がほとんどないけど。

凱旋帰国、とまではいかなかったけど、アメリカでの仕事は、とてもうまく行ってる方だと思う。たまたまこの会社に、僕ができる仕事にピッタリはまる穴があって、みんながそれを認めてくれてる、という感じだ。ある意味ただのラッキーだ。そのラッキーはたくさんの人との関わりと、彼らの後押しからできている。上司も、同僚も、Twitterでフォローしてるだけの人も、僕が参考にしてるブログを書いてる名前も知らない人も。いつか恩返しをしたいとは常々思ってるけど、僕のできることってなんなのかは漠然としている。当初、前例がなければ作る、というコンセプトでこっちに来た割に、そのあと誰も続いてないのが一つ心残りだな。今回も日本に行って誰か連れて来いって言われてるけど、そんな都合のいい人が簡単に見つかるわけもなく。逆に、アメリカから日本にエンジニアを送る、という話の方は続いてるんだよね。日本で働きたいと思ってる本社のエンジニア、思った以上に多いよ。

Twitterで、子供が小さい片働きの人(特にエンジニア)で、一度も海外で働いたことのない人は一度アメリカで働くといい、と書いた。ある意味、損得じゃなくて経験として。いいことも悪いこともあるから、一度働いたことがある人には別に勧めない。あと、共働きの場合は片方のキャリアが途切れちゃうからね。片働きでも、その前提になってるのは、奥さんが前向きなこと。やっぱり帰りたくなっちゃう奥さんもいるし。シアトルや西海岸は日本人が多いとはいえ、外国人(って、海外じゃ僕らが外国人だけど)と友達になれる人じゃないと辛いと思う。単身赴任してでも、もしくは奥さんが我慢してでも世界と戦う?うーん、そこまで思える人はそれはそれでラッキーなんだろう。人それぞれ。

今は世界中どこにいても仕事ができるから、東京本社の会社に北海道にいながら勤めることも、シリコンバレーの会社にアイスランドから勤めることもできるだろう。だから、別に僕は、西海岸が進んでいるから、とか、シアトルにいい会社がたくさんあって待遇がいいから、とか、そういう意味で勧めてるんじゃないんだよ。でも、一度こちらに住んで、同僚とか、息子のクラスメイトのパパとかと関わると、多分生涯、人種や国籍で人に色を塗るようなことはなくなると思う。それだけでも価値はあると思う。もしくは、日本は中からみるのよりずっと良い国だと気づけると思う。その上で、将来自分がどうしたいのか、選択肢が広がると思う。あと、日本は祝日超いっぱいっていうのを知るだけでも。あ、それはどうでもいいか。

全然関係ないけど、デルタで今アイスクリームが出てきた。これは嬉しい。

人生っていうのはアイスクリームみたいなもんで、早く食べないと溶けちゃうんだよ。

って、アイスクリームをお題にそれっぽい一行を書いてみましたが、いかがでしょうか。特に意味はありません。

そういえば、これまたTwitter上で、優秀な若手(ってほど若くもないか)のエンジニアが、うちの会社は天上界のエンジニアばかりだから自分がアメリカに行っても釣り合わない、と書いていた。それは、本当かもしれないし、そうじゃないかもしれない。でも、彼らが、「君は日本で日本人のお客さんの対応をするからこそバリューがある」と思っているかというと?それは、全体最適のために個人を犠牲にする考え方で、少なくとも彼らはそういう観点では判断しない。そいつが、その組織にいて欲しいと思うかどうか、それだけ。僕がアメリカに呼ばれた時、後のEng のトップになった人から、「部署はどこでもいいよ。お前を手放す訳にはいかない」と言われたのは強烈な体験だった。あの頃は、合併のゴタゴタに絡んで自分の居場所が日本になくなったところだったから、とても救われた。

もうひとつ、(ネガティブな意味で)鮮明に覚えてるのは、僕が最初に参加したプロジェクトのプランを見たら、「プロジェクトのリスク: Takafumiは来たばっかりだから、戦力になるまでどのくらいかかるかわからない」って書いてあったこと。そいつは別に普通に当たり前のことをかいたんだろうし、後日、プロジェクトの打ち上げで、まさかこんなにできるとは思わなかったって言われたからいいんだけど、何か、あれだった。

あと、初日にオフィスに行って、チームのメンバーと話したら、全く聞き取れなくて焦ったな。これはいまだに聞き取れないけど(汗

日本時代を入れてもうすぐ8年、バーチャルでEngの仕事をするようになって(=このブログを始めてから)3年たった。IPO, 買収を経て、古株はみんないなくなった。さみしいけど、普通のことなんだろうな。ずっと同じメンバーで、スピード感を失わない規模で、っていうのは一見良さそうで、そこには成長がないから。一方で、組織がおっきくなって古株がみんな幹部になりましたっていうのも、エンジニア的には面白くないと思うんだよね。新陳代謝を楽しまないと。いつか自分が出て行く側になる日まで。