#検察庁法改正案に抗議します について | 昆布ジャム YokotaNoo konbu ( Peace@table)

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(一社)日本昆布協会 2015年度昆布大使山中陽子が北海道のおいしい昆布で昆布のジャムを作りました。

 今日、どうなるかわからないけど、私なりに頭の整理を。

 そもそも、内閣に属する行政組織である検察が、そのなかでなぜ独立性を維持して「強大な権力」をもっているか?公務員法でなく検察庁法で規定されてるのはなぜか?

まず、検察が起訴すべきと思う案件は誰にも邪魔されることなく起訴されねばならないし、不起訴にするという判断もできることになっています。そしてそれに対して、不当な起訴には裁判所による公訴棄却や控訴などで、また、不当な不起訴には検察審議会などで対抗することになっています。
総理大臣や閣僚に対する起訴も、内閣に属するにもかかわらず、検察が担います。
全ての事件を裁判に持ち込めるのは検察だけ、ですので、特殊な、強大な権力を持つ存在であるといえます。
行政権で捜査をしつつも、起訴を担う、そういう意味で検察は内閣に属しながら準司法的存在といわれています。そして、その独立性を担保するためにも、人事を含む権限は一般法の公務員法でなく、特別法の検察庁法により規定されています。

ですから、今話題の検察官の定年については検察法によるわけですが、検察が検察官の定年を延ばしたいと思えば検察法の改正が必要で、それは立法府=国会の仕事です。先日から話題になっている検察官の定年についての問題は、三権分立に反する、という声が上がってますが、まずはこの、立法に関する問題があります。→立法vs行政

ことの起こりは東京高検の黒川検事長の定年延長を①国家公務員法の解釈で、内閣が②口頭決済したことです。

①国家公務員法には職務について特段の理由があれば定年を1年延長できるという規定があるのですが、検察庁法にはこの規定がなく、これまでも検察にはこれを適用しないしないこと、とされてきました。
まずはこの解釈を変更して検察にも定年延長の規定が該当すると、したのですが、一旦安定的に決まっている法の解釈を変更するにはその必要性と正当性を裏付ける根拠が必要です。
しかしながら森法務大臣の重要案件を抱えているので、その遂行に一貫性が必要なので、現在の指揮官を変えたくない、というのは、理由として脆弱だと言われています。
検察は誰が担当になろうと捜査、訴追の方針が変わることなく検察全体で一貫して引き継がれるようにことになっているからです。そうでなくては、継続する案件を色々抱えているなかでは誰も退官できなくなります。

②そして、時代は変わりますし、仮に今までの解釈をかえることになった、としても、それを口頭で決済ということは事務的にあり得ないと思われます。報道によると、事前に「内閣法制局、人事院とも相談し異論はないとの回答を得ている」とのことですが、議論の過程も、責任の所在も残すことなく閣議決定で口頭で決済、というのは、法務としてあり得ないと思われます。

さて、そうして始まった今回の検察庁法における検察官の定年延長の案件ですが、今回これが国会に提出され、委員会での審議入りをしました。ある意味では、立法vs行政という構図の正しい形になったとも言えます。


しかし、ここにもうひとつ、もっと本質的な問題があります。先にのべたように検察は内閣に属しながら準司法的存在です、総理大臣やや閣僚を起訴できるのも検察だけです。その人事に内閣が介入して良いのか?ということです。
自分を縛る力を持つものに対してそれを押さえる力を持てば誰が内閣を監視するのか?
そういう意味では、検察を内閣が押さえるというのは司法に対する介入とも言えます。→司法vs行政

話題の黒川東京高検検事長の定年延長は安倍内閣に近いと兼ねてからみられています。その検事長の定年をまず延長した。それもかなり強引な手法で。
その状態を維持しつつのいまの法律案提出がそもそも適法なのか?というのもあります。

細かく言えば20年来懸案の公務員の定年延長に検察も揃えねば、という流れに対しても、昨年提出の政府案は

1.検察官の定年を65歳に引き上げる2.次長検事及び検事長は、63歳に達した翌日に検事になる(その後65歳で定年退官)

というシンプルなものだったのが、
今回は

1.検察官の定年を65歳に引き上げる
2.省略
3.省略
4.次長検事と検事長は63歳以降は平の検事になる
5.第4項について、次長検事と検事長は、内閣が定めた事情がある場合、1年以内の期間、引き続き次長検事又は検事長として仕事ができる
6.さらに、1年後も引き続き内閣が定めた事情がある場合、引き続き定年まで次長検事又は検事長として仕事ができる
7.省略
8.これらのことは内閣又は法務大臣がそれぞれ決定する。

となっています。
政府を擁護する人たちは検事の定年延長は公務員の定年という意味でなされなければならないものだと言いますが、検事の定年の要件に「内閣が定めた事情」という極めてあやふやな文言を定めています。
そんな言葉で検察の人事に介入するというのは、司法に対する介入ということになるのではないか、ということになります。→司法vs行政

以上から、この問題は二重に三権分立を脅かしている、といえるでしょう。

しかしながら、もし仮に今回の法案が成立したとして、さらに定年延長した黒川さんが検事総長になるかどうかは定かではありません。
その辺り、実は未定の部分もあるのに、そういう狙いがあるのでは?と思われていることが既に安倍政権の問題なのだろうと思います。

そして、それを今、なぜ、急ぐ?というのが一番の疑問点にして、みんなの怒りを買っている点なのだと思います。
内閣は粛々と仕事をしているだけです、というなら、もっと「スピード感をもって」しなけりゃいけないことを「感」じゃなく、ホントにスピードアップして、とおもうし、他の、喫緊の問題山積でしょうと思う。
検察官の定年はそのうち解決しなければならないとして、一応誰が担当しても同じ仕事をすることになってるわけだし。
大騒ぎしたアベノマスクですら、まだ届いてないのが現状なのに、と、思います。

というわけで私も
#検察庁法改正案に抗議します