近代工芸作家紹介 ~金重陶陽~ | 瀧屋美術 - Takiya-art スタッフブログ

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湘南の画家たち Artists in Shonan

神奈川県立近代美術館からポスターを頂きましたので、ご紹介させて頂きます。
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2014/shonan/index.html

1月24日から3月22日まで開催しています。
湘南を舞台にした近代洋画、日本画、現代美術まで約70点で構成されているようです。

また、神奈川県立近代美術館鎌倉館は、"日本のモダニズム建築を代表する名建築"といわれているほど、歴史的な建物です。展覧会とあわせて、建築も見どころの一つです。楽しみですね!!


さて、今日は、瀧屋美術で取り扱っている、近代工芸作家をご紹介します。
前回の富本憲吉に続いて、今回は金重陶陽です。


金重 陶陽 ~Kanashige Toyo~


金重陶陽は、1896年に、岡山県和気郡(現:備前市伊部)に生まれました。
備前窯元六姓の一つであった金重家に生まれ、父(媒陽)と共に細工師(通称デコ師)として出発します。
幼少のころから天才的な細工師として有名であった陶陽は、特に鳥類の作品でその実力を大いに発揮し、特に重なった羽毛の一本一本までヘラで毛描きされた作品たちは、数々の賞を受賞。名工としての地位を築いていきました。


1930年前後、40歳を前に、陶陽はこれまでの細工師としての仕事から、豪快なロクロを用いた仕事へと、作風を一変させます。
1930年は、荒川豊蔵が『志野の陶片発見』をした年。それを機に、古陶磁の研究が盛んになっていきました。美濃をはじめ、瀬戸、唐津など古窯跡の発掘が進むにつれて、時代の流れは『桃山陶芸復興』へと向かいました。そうした流れと呼応するように、陶陽もまた、桃山風茶陶への憧れを強くしていきます。


備前の一陶工であった陶陽が、稀代の名工として出世していく過程には、実業家、古美術商、文化人、茶人、また多くの作家や陶工たちとの交流がありました。自ら茶道の世界に足を踏み入れたり、古備前の名品を求めて全国を行脚する挑戦の中で、

『からひね会』(荒川豊蔵、三輪休和、川喜多半泥子と共に)の結成

北大路魯山人やイサム・ノグチらとの交流

が、陶陽の作風に大きく影響します。


桃山風古備前の作風の確立。それだけに留まらず、異色の世界のエッセンスを取り入れた器に取り組んだ末、1956年、ついに陶陽は備前焼初の人間国宝に認定されました。


伝統の桃山風古備前から、現代的な備前までを作り上げた陶陽は、『備前焼中興の祖』と称えられます。
徹底して土と火の質にこだわり、また経験を蓄積した陶陽の窯は、現在の備前焼における、焼き味のすべてを生み出したと評価されています。備前焼の先頭を走る者としての矜持が、陶陽のいずれの作品にも深く根付き、またその名に恥じない完成度を誇っています。

特に評価の高い水指・花入・徳利については、桃山風古備前の表芸以上の出来栄えであり、桃山風古備前に劣らない風格を備えています。


陶芸とはただ技術的なことばかりではなく、精神面にまで大きく関わって
いる芸術であることを強く感じさせ、またそれを実践した陶芸家、金重陶陽の評価や作品の価値は、今後さらに多方面に展開していくでしょう。(T)




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