8月23日(土)~24日(日)、私が住む岡山では「うらじゃ」という夏祭りが行われた。「うらじゃ」は桃太郎のモデルとされる「吉備津彦命(きびつひこのみこと)」と「温羅(鬼)」との戦いを描いた桃太郎伝説から生まれた。1994年から開催されている岡山の伝統ある祭りで、今回で30回目になる。

 温羅を模した化粧をした多くの踊り連が、音楽に合わせて独自の踊りを披露する。市内中心部に何か所か演舞場が設置されている。また、一般道を歩行者専用にして、移動しながら踊るパレードもある。私が住んでいるところから近いので、何か所か歩いて見て回った。

・山陽新聞社本社ビル1階のさん太広場演舞場

 

・下石井公園演舞場

 

 暑さ対策としてミストのでる車が置いてあった。

 

・ハレまち通り(旧県庁通り)パレード

 移動しながら長い列での踊りが印象的。

 

・イオンハレマチ演舞場

 屋内で涼しいので、お客さんが一杯。3階からの写真。

 

・杜の街グレース演舞場

 

・市役所筋パレード

 高校生の踊り連は、「うらじゃ」の曲を演奏していた。

 

 余談だが、「うらじゃ」の「温羅」というのは、桃太郎伝説の鬼のこと。ではなぜ「うらじゃ」は桃太郎ではなく、悪者の鬼が主役なのか。

 「温羅」とは、古代朝鮮の百済で起きた戦を逃れ、海を渡ってきた渡来人の長のこと。古くから朝鮮半島と交流のあった吉備の人々は、温羅たちの事情をくんで彼らを快く受け入れた。温羅は吉備の人々のため、たたら製鉄や造船、製塩など、当時の百済の優れた技術を伝授した。高い技術と英知を持った温羅は吉備の人々に慕われ、やがて吉備国の王となる。そうして温羅はますます吉備国の発展に貢献した。「うらじゃ」は岡山を豊かにしてくれた温羅に感謝の舞いを奉納する祭りでもある。