先週に引き続き、酷暑の中、山登りに行った。暑さを避けるため、樹林帯を多く歩く山を考えた。思いついたのが、岡山県立森林公園である。行くのは4年ぶりになる。
朝7時に自宅を出発した。森林公園の駐車場に着くと、数台の車が止まっていた。準備をして歩き始めたのは9時半だった。管理センターは補修工事中だった。
「からまつ園地」や「いぼた園地」を右手に見ながらゆっくりと歩いた。途中、写真を撮っている女性を追い越した。また、「かえで園地」の椅子に座って話し込んでいるご夫婦がいたが、その先には誰もいない。
「おたからこう湿原」を過ぎ、「もみじ滝」まで来た。この辺りで、もう汗びっしょりである。ここから登りになり、さらに汗をかいた。4年前に行った「きたけ峰」には今回は行かなかった。尾根まで出て「千軒平」を目指した。
思った通り、ほとんどが樹林帯の中である。時折、日差しが入ってくる程度なので、それほどの暑さは感じなかった。しかし、何度か立ち止まって水分補給した。
「千軒平」に着いたのは10時32分だった。絶景ポイントだが誰もいない。景色を楽しみながら、おにぎりを二つ食べた。6月に登った大山が見えたが、頂上付近には雲がかかっていた。汗をかいてバテ気味だったが、休憩すると体力が回復してくるのを感じた。20分くらい滞在した後、先に進んだ。
5分くらい経った頃、前方から来る人が見えた。50歳くらいの男性だった。「今日、初めて人と会いました」と言うと、その人も「私もです」と言っていた。
11時5分、「もみじ平」に到着。ザックを下ろして休憩した。名前の通り、周囲にはもみじの木が林立している。ふと見ると、すぐ近くにユリがきれいに咲いていた。
そこから先は日差しを浴びるところが多くなった。しかし、適度な風も吹いていて、それほどの暑さは感じなかった。
「県境三叉路」に着いたのは11時25分だった。4年前はここから下山したが、今回は尾根をさらに先に進んだ。
多少のアップダウンがあるものの、よく整備された歩き易い道が続いている。気が付くと、かなりスピードを上げて歩いていた。それほど暑さを感じることなく、どんどん先に進んだ。
公園最北端の「すずのこ平」に着いたのは、丁度12時だった。久しぶりにここまで来た。60代のご夫婦が座って休憩していた。熊除けのつもりだろうが、ラジオからかなりの音量で音楽が流れていた。ここは静かに景色を楽しむところだろうと思った。しばらくして、二人は私が歩いて来た方へ立ち去った。それからは一人でしばらく過ごした。北の方へ目をやると、日本海まで望むことができる。
20分くらい過ごした後、下山することにした。今回、ぜひ「霧ヶ峯」という山に行ってみようと思っていた。YAMAPのルートには入っていないが、すぐ近くにあり、行った人の登山記録を何度も見ている。どこかのヤブから入って行くらしい。慎重に入り口を探したが、見つからなかった。ちょっとヤブには入ったものの、危険な感じがして引き返した。今度来た時はぜひ探してみよう。また宿題が残った気がした。
「奥ぶなの平」から「ぶなの平園地」を通って下山した。このルートを通るのは初めてである。ブナ林がため息をつくくらい美しかった。こんなにブナの木が多いとは新たな発見だった。暑さを忘れ、自然の中を歩く歓びが体にあふれてくるのを感じた。紅葉の季節はどんなに美しいのだろうと思った。ぜひまた来てみたい。
駐車場に戻ったのは13時20分だった。4時間弱の山行だった。着替えをしていると、山の中ですれ違った男性が戻ってきた。話しかけて「霧ヶ峯」のことを聞いてみた。すると、その人も「霧ヶ峯」の入り口を探したものの、分からなかったという。誰か分岐表示なり、赤テープなりを付けてもらいたい。
人が少なくて、のんびり山歩きを楽しむことができた一日だった。