気持ち良く晴れ渡ったウィークデー、休みが取れたので、最上稲荷から龍泉寺へ山歩きに行ってきた。このコースに行くのは3年ぶりである。

 最上稲荷の右奥にある階段を歩き始めたのは10時50分だった。ここからしばらく階段が続く。登りがきつく感じられるところである。いくつもの鳥居を抜けて八畳岩に立った。ここからは遠くに岡山市内を見渡すことができる。遥か向こうの山々もぼんやりと見ることができた。いい天気で気持ちがいい。

 木漏れ日の中を進んで行く。歩きやすい道が伸びている。紅葉はまだ少し早いようだった。いつもは速足で歩くが、この日はゆっくりと周囲の自然を楽しみながら歩いて行った。

 奥之院に着いたのは11時33分だった。誰もいない。龍王山の頂上でもあるので、三角点を確認しておいた。社務所の裏にあり、ちょっとわかりにくい。

 すぐに引き返し、分岐を右折して龍泉寺へ向かった。途中、「こい岩湿地」へ寄ってみた。ここは3年前には来てない。残念だが、もうほとんどの植物は枯れていた。木道の上にカマキリがいて動かない。私が来るのを待ち構えて、ここから先へは通すまいと見張っている門番のように見えた。

 龍王池が静かに広がっている。3年前に来た時は雪が舞っていて、池に氷が張っていたことを思い出した。池の土手にあるベンチに腰を下ろし、コンビニで買ってきたおにぎりを食べた。すると風が吹いてきて、少し寒くなった。立ち上がって裏手から本殿に行き、瓦の美しい拝殿に参拝した。

 階段を下り、3年前にお世話になった休憩所に向かった。すると、水の音が聞こえてきた。休憩所を下ったところに御滝があり、龍の口から流れる水で滝行をすることができる。見ると、流れ落ちる滝の下に白装束の人がいた。年配の女性が滝に打たれている。近くで娘さんらしき人が見守っていた。長く見ているのは失礼だと思い、休憩所に入った。自由にお茶をいれて飲むことができる。こんな休憩所があるということは、大勢の人が来ることもあるのだろう。しかし、この日は誰もいなかった。

 太閤腰掛岩の前を通り、三上山まで足を伸ばしてみた。10分くらいで着いたが、「三上山頂」という簡単な看板が木に取りつけてあるだけで何もなし。すぐに引き返した。

 来た道を通って最上稲荷に戻ったのは13時50分だった。天候に恵まれ、気持ち良い山歩きを楽しむことができた一日だった。