朝、目覚めて窓を開け、新鮮な空気を部屋に取り込む。深呼吸すると気持ちがいい。朝日が東の空を赤く染めている。さて、一日の始まりだ。ふと耳を澄ますと、どこからか虫の声。見上げる空には細長く伸びた雲。明らかに今までとは違っている。
先日、職場の周りを掃除していた。すると、路上に蝉がひっくり返っていた。死んだのだろうと思い、箒で掃いてちり取りに入れようとした。すると、急に羽をバタつかせて動き回った。しかし、もう飛ぶ力はない。もうすぐ死ぬだろう。ごみと一緒に処分しようと思った。しかし、なぜか躊躇して、そのままにしておくことにした。翌日、同じところに行って蝉を探したが、見つけることができなかった。
暑かった今年の夏も終わりが見えてきたように感じる今日この頃である。しかし、新型コロナウイルス第7波の感染拡大は終わりそうにない。夏にマスクをして過ごすのも、もう3年目である。一体いつまで続くのか…。
1ヵ月くらい前、爆発的な感染拡大の予感がしていた。しかし、今年の夏は行動制限がなかった。お盆休みも自由に行き来することができた。飲食の営業も自由である。経済を回すという名の下に、自由な行動が許された。その当然の結果として感染が拡大した。こうなってくると、この2年間のように行動制限をして、何とか感染拡大を止めようとしていたのは何だったのかと思えてくる。多少の死者が出ても、医療現場が逼迫しても、仕方がないということだろうか。もうなす術がないといったように見える。
わが街では先週の土日(20日、21日)、「うらじゃ踊り」という夏祭りがあった。この2年は新型コロナウイルスのために中止されており、3年ぶりの開催である。いつもの年なら見物客でごった返している。しかし、以前の6割から7割の人出といったところだろうか。山陽新聞社前から幸町図書館、イオンモールへと移動してみた。マスクを外して踊っているグループもあれば、マスクをしたまま踊っているグループもある。勿論、見ている人はみんなマスクをしている。これが昨今の祭りの姿なのだろうかと思ったりした。多分、日本中どこでもこのスタイルで祭りを行っているのだろう。
27日(土)は、街中にある老舗百貨店に「児童生徒書道展」を見に行った。以前教えていた生徒の作品を見るためである。10時の開店と同時に入店すると、ほとんどの客は書道展に向かっていた。数多の展示の中から、何とかお目当ての生徒の作品を見つけることができた。本当はいけないことだろうが、ちょっと作品に触れてみた。久しぶりにその子に会ったような気がした。2年前のその子の姿を思い出していた。あれから一度も会っていない。たとえすれ違ったとしても、もう分からないかもしれない。私がその子を見ても、その子が私を見ても…。2年という月日は思った以上に長い。
以前は夏になると小学生を100人くらい連れて、1泊2日のサマーキャンプに行っていた。その様子をこのブログにも毎年アップしたものだ。野外炊事、キャンプファイヤー、ウォークラリーなど、ワクワクする2日間だった。しかし、3年連続で今年も中止だった。一体いつになったら行くことができるのか。
2学期が始まって学校へ行くようになると、子ども達への新型コロナウイルスの感染拡大が危惧される。暑さは弱まり、秋は必ずやってくる。しかし、この厄介なウイルスはいつになったらなくなるのだろう。マスクをしないで、どこでも深呼吸することがいつになったらできるようになるのか。
夏は確実に過ぎ去ろうとしているというのに…。