子どもの頃からテレビドラマを見るのが大好きだ。NHKの朝ドラは「おはなはん」から記憶がある。現在放送中の「なつぞら」も楽しみに見ている。NHK‐BSでは「おしん」を再放送しているので、時々チラ見をしている。さすがに演出には時代を感じるが、ストーリー自体は今見ても十分面白い。

 昔のドラマの方が良かったという話ではない。ことドラマに関しては、民放よりもNHKの方が大胆な作品を作っていると思うのだ。それは、ここ数年でますます顕著になっていると思う。民放はドラマ自体が少なくなっているし、スポンサーの関係からか、好感度の高い人気のある役者を各局で使いまわしている感がある。視聴率を気にして無難にならざるを得ない。

 そんなことを改めて思ったのは、もう6月に放送が終了してしまったけれど、土曜日23時半からNHK「よるドラ」枠で放送されていた「腐女子、うっかりゲイに告る。」というドラマを見たからである。大ファンの藤野涼子が出ているので見始めたのだが、これがもう衝撃的な内容だった。これほど真正面からゲイを扱ったドラマがあっただろうか。男同士のベッドでの濃厚キスシーンにびっくり。しかも、大人の男性と高校生の男の子のキスである。藤野涼子ファンとしてもショックだった。遊園地の観覧車でのキスだけでなく、男の子の部屋での危うく初体験シーンまであるのだ。劇中でクィーンの曲を使うという念の入れよう。

 全8話を通して見ると、ドラマのテーマは明確だし、ラストシーンも余韻があって素晴らしい。しかし、この内容と描写のドラマは、民放ではできないと思うのだ。

 7月27日(土)から「よるドラ」で、「だから私は推しました」が始まった。不器用な地下アイドルを推すアラサーOLの話である。「主役の桜井ユキって誰だったっけ」と思いながら見たが、これもまたディープな内容で思わず引き込まれた。桜井ユキは美人で演技がうまい。今まで出てこなかったのが不思議なくらいである。アイドルを演じる白石聖も可愛くて、今後の展開がますます楽しみである。

 攻めの姿勢のNHKドラマに、今後も注目していきたい。この期の民放のドラマで一番面白かったのは「・・・」かな。