大晦日、午後から街一番の商店街に出かけた。毎年大晦日に出かけて、年末の雰囲気を楽しんでいる。年末はお店にとって一番のかきいれ時だと思うのだが、この地方都市の商店街は深閑としていて、シャッターを閉めているお店が多かった。開いているお店はといえば、コンビニか美容院、デパート、スーパー、本屋さんくらいだった。そこで私は、丸善、紀伊国屋、三省堂と街中の主な本屋さんをハシゴした。
或る孤独者のつれづれ日記-大晦日の商店街

全国的に冬型の天気だそうで、大雪が降っていることころもあるという。わが街は木枯らしが吹きすさぶものの、雪は降らなかった。駅に行くと、山陰地方が大雪のため、到着する予定の列車がまだ到着していなくて、折り返しの特急列車がいつ発車できるかわからないというアナウンスが絶え間なく流れていた。その列車に乗って古里に帰り、正月を迎えようとしている人も多いはずである。人ごとながら心配になった。

本屋さんによって売りたいと思っている本が違うのか、お店の前面に大きく出している本が違うのだった。私は最後に行った三省堂で、村上春樹「蛍・納屋を焼く・その他の短編」と、朱川湊人「かたみ歌」という文庫本を買った。正月のテレビがバラエティーばかりで面白くなく、毎年本を読んで正月を過ごすことにしている。2冊あれば当分読む本にはこと欠かないだろうと思った。それに図書館で借りている絵本が10冊くらいある。そういえば、おととしも村上春樹の「東京奇譚集」を正月に読んだ。これがなかなか面白く、村上春樹は長編よりも短編の方がいいのではないかと思ったくらいだった。「蛍・納屋を焼く・その他の短編」は、今映画で公開中の「ノルウェイの森」の原点になる作品だそうで、以前から一度読みたいと思っていた。映画も正月休みの間に観に行きたいと思っている。

夕食に年越しソバを食べ、NHKの「紅白歌合戦」を見た。ここ数年白組が勝っている。今年は紅組が勝つと思っていたら、また白組が勝った。ワンセグ審査員は女性の方が圧倒的に多いのではないだろうか。女性は白組にポイントを入れる可能性が高い。ワンセグ審査員という制度を採っている限り、白組が勝ち続けるような気がするが、どんなものだろう。
或る孤独者のつれづれ日記-年越しソバ

とりあえず年が明けた。今年はどんな年になるのだろうか。まずはお屠蘇でも飲んで、酔った頭で考えてみよう。