群馬県の日帰り滝旅 #2


この日、予定はあって無いようなもの。

嬬恋村まで来ているのだから、10年前なら常布の滝か、世立八滝に行っていたと思いますが………。


唯一持ってきた情報物の道路地図を見ながら


そうだ、久しぶりに嫗仙の滝に行こう!


草津温泉を抜けてセブンイレブンの所を斜めに曲がって………相変わらず正しい道で行けないせっかちな自分です。

嫗仙の滝は三度目となります。滝まで延々と下り、帰路は延々と登ってくるドSルートです。その歩行距離1km、標高差180mだそうです。


駐車場に車はなく、独占できそう。
クマの目撃情報もあるので何度かクラクションを鳴らし、クマ鈴を着けてひとり騒がしく歩き始めました。

東屋まではなだらかな山道。ここからは急降下となります。

木漏れ日の中をグイグイ下っていきます。

ここまで下ると谷から、滝音、沢音が聞こえてきます。

あれ?
無人と思っていたら二人の男性が登ってきました。地元の方で街中から歩いて嫗仙の滝を見に来たとのこと。数日前に常布の滝にも行ってきたそうで、久しぶりに懐かしい話しを聞くことができました。

ん?……でも街中って?

小雨川の赤い滑床が見えてきました。

小雨川に降り立つと、滝前に向かって滑床を歩いて近づきます。

ひとまず滝前の乾いた岩の上で一休み。

お昼のマイブームはローソンの『月見とろろそば』。温泉玉子を割るのに難儀して、全く映えないそばになってしまった。

嫗仙の滝 おうせんのたき

落差40m。奇怪さ、優しさ、鮮やかさ……この滝ほど表情豊かな滝は珍しい。

ずっと続く赤いナメ、温泉成分で仄かに濁る水も良い。

ぴーかんなので撮るには過酷。


滝前ランチを済ませると、直ぐに遊び始めます。

見れば見るほどに不思議な滝。みんなが見つめるから穴が空いてしまったんじゃないかな。

雄大な滝では主瀑の存在感も霞みます。

滝の直下から見上げる。

どこまでも滑らかな滝つぼ。

常布の滝と同じような配色ですね。

あの穴にスッポリ入って裏見をしてみたい。

この滝は線ではなくて面で迫ってくる滝です。

表層の節理のような岩盤、赤い滑らかな岩壁、黒々したザラザラの岩壁、三者三様。

幾筋もの水流が流れ落ちる……よく考えると不思議に思いませんか?

落ち口から落ちているのは、赤い岩壁の主瀑だけ。

実は黒い岩壁を落ちる滝は伏流の滝。あの断層から水が吹き出しています。

実はもうひとつ、この滝の水は真水ではなく温泉成分が混ざるので、精密機器には注意が必要、飲むのも不可だそうです。

それだけに艶かしくも、また神々しくもあり。

また何年かしたら、あの急な山道を下って滝に来て、ここから滝を見上げる自分を容易に想像できました。

暫くすると、モデルさん?ラッパー?………顔立ちも身なりもおよそ滝とは似つかない美男子が二人やってきました。恐々と話しかけると、とても爽やかな物腰でびっくり。「近所でお薦めの滝ありますか?」とのことでしたので、世立八滝を推薦しました。

滝前を彼等に譲り………
8年ぶりの嫗仙の滝。自分は随分と変わったけど、相変わらずの滝に感慨深く。

赤いナメを歩いて退渓しました。

帰路の登りは……フラフラになりながら、でも、立ち止まると静寂とそよ風に癒されて、駐車場までゆっくりと登っていきました。

草津から中之条に移動。

そう言えば行きの嬬恋村に向かう時、対向車線でネズミ取りしてました。八ッ場ダム辺りの直線で見通しの良い快走路の国道、ここでやる意味あるのかな?と思いつつ、ひと溜まりもないだろうなぁ。先行車がいたのでパッシングもできず。

国道から林道に。体力があれば面白そうな山ではありますが……

ちょうど犬の散歩の奥様方がいらっしゃって「滝はお堂の直ぐ先ですよ~」と。

観音山不動滝
山影で薄暗い周辺で、真っ白な滝が映えていました。

滝の上部はナメていて、シュッと直瀑となって滝つぼへ。


とても落ち着いた滝と感じました。

落ち口の直ぐ上が気になりますね。


滝前の橋を渡って滝つぼを右往左往。滝ばかりに目が行きがちですが、岩壁もなかなかのものです。

右岸側に寄るとチラリと上段が見えますね。

落ち口の直上、岩の造形や水流は、下からだと見えないこともよくあります。

主瀑の後ろに後れ毛のような滝。

厳かで、穏やかで。

一度、国道の戻り四万温泉方面に。

中之条町のこの滝は上妻橋からも見えますが、木に遮られて「滝がある」ことがわかる程度。間近に見るためには上流側に回り込んで遊歩道を下ります。

民家脇の遊歩道入り口には立派な看板がありますが駐車場はありません。数百メートル先の公民館?集会所?の空き地に停めさせていただきました。

入り口まで戻って遊歩道に。

歩き出しはちょっと心配になる遊歩道でした。

沢?川?に下る手前にお休みスペース。

下りきると滝の左岸に。洞窟に不動明王がいるので、そこだけ綺麗に手入れされていました。

仙下不動の滝
PLフィルターを使ってもテカリがとれない妖艶な滝。

断層の下は滑らかで細やかな凹凸を、水は優しく流れ落ちていました。

見上げればさっき渡った上妻橋。

滝前は草ボウボウで荒れていましたが、本流の四万川はナメ床であくまで穏やか。

駐車場まで戻って沢靴を脱いで行動終了です。

小野上温泉 ハタの湯♨️
この季節の夕方は涼しくて気持ち良かった。

平日夜の関越自動車道上りは8kmの渋滞らしい。急いでも仕方ないので、花園I.Cで降りて……

たくとみ
一度食べてみたかった”かつ丼”、リピートあり。

ゆっくりと旅としての滝を楽しむことができた、ほのぼのとした一日でした。

【まとめ】
◯2024.5.17 ひとりで。
◯天気は晴れ。
◯三度目の嫗仙の滝、個性的な姿。
◯厳かな観音山不動滝。
◯妖艶な仙下不動の滝。

◯訪れた滝
●嫗仙の滝:群馬県吾妻郡草津町
○観音山不動滝:群馬県吾妻郡吾妻町
○仙下不動滝:群馬県吾妻郡中之条町