山陰山陽の滝旅 #9
滝旅は3日目となります。
道の駅 酒蔵奥出雲交流館
昨日は鳥取県と島根県を行き来しており、この道の駅で車中泊しました。早朝から地元の方が散歩されていました。
実はこの日、島根県雲南市の雲見滝に行きたかったのです。通常なら難しい滝ではありませんが、長らく立入禁止となっています。直近で訪瀑された情報でもあれば自己責任で訪れるつもりでしたが、今回は諦めました。
………で、同じ雲南市にある矢入大滝に。
なんと前日に訪れた方が早くもGoggle Mapにクチコミを載せられていました。
この滝、どこまで相棒で入れるのかがわからず現地判断。民家の先の道が細くなるところでウロウロと迷っていました。
するとそのお宅のご主人が出てこられ……
滝はこの先だよ~
整備してないから大変だよ
昨日も滝にきた人がいて迷ってたなぁ
この先その車では行けないよ
行くならここから歩いて行きな~
だいたいそんなやり取りをして、路肩に停めさせていただきました。全くありがたいことです。
すぐさま準備して出発。
どれくらい余分に歩くのだろうと少々不安。
確かに道は狭かった。
あの家の先のクランクを恐らく相棒は抜けられない。無理して突っ込んでいたら狭い道を延々とバックせねばならず、決断は間違っていなかった。
車種によってはここまで来れます。駐車スペースあり。
大昔はこの先も車道でした。
確かに人の手は入っていない。
自然に還りつつある道を進んでいくと……!
先進的なデザインがかえって異様を助長する。
汚れた看板。滝は更にこの奥。
100mほどで滝のハズ。
その先には朽ちかけた橋と潰れた観瀑台。滝は右手にあるので、以前は滝見の建物を通ってその先から滝前に進んでいたと思われます。
橋を渡るのはリスキーだったので、分岐まで引き返して上の道に。
矢入大滝 やにゅうおおたき
落差30m サラサラと白い水飛沫で落ちる優雅な滝です。
滞りなく落ちてくる水流を、三角に出っ張った岩が分断して個性を出しています。
好天の朝、まだ光が入らず暗い雰囲気ですが、それもまた神秘的かと。
上部は左から流れてくるので、滝の始点がどうなっているのかわかりません。
水そのものは綺麗でしたので、朝一番の入水も厭わなかったです。
岩の凹凸で流れ落ちる姿も良いなぁ。
濡れた岩はテロテロでしたが滝に最接近。
これ程良い滝だと思っていなかったので朝から嬉しい誤算。限られた滝前でしたが、思う存分に滝を慈しみました。
潰れてしまった観瀑台の残骸を、なんとも言えない気持ちで見ながら滝を後にしました。
見たもの、感じたものを考えるのに丁度良い………テクテク歩き。
建物やルートの維持管理には莫大な労力とコストがかかるので、地元の皆さんが決めたことを尊重します。
この滝の素晴らしい点をお伝えすると、嬉しそうに聞いてくださって、自分も嬉しかったです。
これからの矢入大滝は滝の好きな人だけが訪れる、密やかな滝になっていくのかもしれません。
最後、奥様も娘さん達も、ご家族総出で見送っていただき、とても温かな気持ちにさせていただきました。
ありがとうございました。
【まとめ】
◯2024.4.28 ひとりで。
◯天気は晴れ。
◯放置された滝へのルートの先に。
◯新緑に囲まれた癒しの滝。
◯入り口のご家族の温かさ。
◯訪れた滝
○矢入大滝:島根県雲南市