短い秋は西に向かう #5
鳥取の山間部の滝に。
沿岸から内陸に。
好天につき快適なドライブ。
県道281号線から滝方面への分岐には案内板がありました。
写真は帰りに撮ったものですが、行きに見ていれば駐車場には迷わなかったかもしれません。
更に滝への分岐を、深く考えずに突入しました。
土砂が堆積したあの洗い越しを相棒で乗り越えるのは厳しく、やむなくバックで登ってどうにか脱出しました。
直ぐ上流で工事していたので、そこで方向転換。作業員さんから「滝はその道の先だよ~」と教えていただいていました。
先ほどの分岐に戻り僅かなスペースに相棒を停めて徒歩で滝に向かいます。酷い停め方ですいません。滝への正式な駐車場は工事現場のスペースだったのかもしれません。
てっきり滝はこの沢の上流にあると思っていましたが、もう一つ隣の沢でした。
美味しそうだけど相変わらずキノコに疎い自分です。
そしてこの辺りでは2000年に遊歩道整備中、なんと黄金の不動明王像が地中から発見されたとのこと。俄然、下を見て歩く自分です。
しばらく舗装された林道を下ると滝の看板がありました。
看板を見てひと安心です。
落ち葉の遊歩道を沢まで下ります。
沢に出ると道が途切れていました。ここで橋の残骸?を横目に渡渉しました。
対岸(左岸)側に上流に延びる踏み跡。
踏み跡は少し高い位置を通っています。沢筋を遡行するか迷いましたが、上から見る限り小滝があったり自分には沢筋は難しかったようです。
滝が見えてきました。
踏み跡から岩棚へ。
法師ヶ滝
とても綺麗な直瀑です。
岩壁や滝前の苔は、台風の大水で流されてしまったのかもしれません。
それでも苔とはまた異なる趣の、秘境の滝の雰囲気が出ていました。
岩の表面は大水で洗われて清冽。
滝つぼも流れ出す水も、とても綺麗でした。
正面から。滝の両側は手の込んだ彫刻のような岩の模様と凹凸が現れています。
左岸の奥から。
紅葉が始まっていました。
落ち口付近に残った苔。岩の模様は複雑です。
右岸と比べてとても大味な右手の断崖。
放物線……でなく放水線?を描いている。
ジャブジャブ水とふれ合いたかったけど、水温が冷たかったので躊躇。
滝と同じで水の流れに勢いがあります。
二度、三度と帰ろうとしたけど、その度に「あと少しだけ」となかなか帰してくれない滝でした。
ようやく踏ん切りをつけて帰路に。
踏ん切りさえついてしまえば、良い滝だったと満足感一杯で足取りも軽く、あとは黄金のみ。
ここにはどんな橋が架かっていたのだろう?
上り坂では直ぐに足取りが重くなりました。
理不尽な停め方をした相棒が見えてひと安心。残念ながら黄金発見はできなかったなぁ。
幾つかの峠を越えて鳥取県の山中をひた走ります。
途中、何やらお客さんで賑わう。テレビで見たことがある三佛寺奥院投入堂でした。危険な山道40分とのことで即座にスルーして目的の滝に。
名勝に指定されてから日が浅い。ばあば?
大人の事情につき、念のためフル装備で遊歩道に進みました。
情緒ある竹林を抜けて。
左岸に橋を渡ると、所々、ルートが不明瞭になりました。
痕跡を辿るように遡行すると10分ほどで滝に到着です。
明るく開放的な雰囲気。今日は良い滝が連続して目の前に現れます。
馬場の滝 ばあばのたき
落差20m 三段の滝。孫娘のYちゃんは自分達を「じいじ、ばあば」と呼ぶので、この滝の読み方を知った時はクスッと笑ってしまいました。
世の中に"じいじ" の滝はあるのでしょうか?
どちらかと言えば滑らかで曲線の凹凸。末広がり方、滴り方が面白いです。
水が多すぎると、この細やかさは出ないなぁ。
何もなければ重力に従って垂直に落ちるだけなのですが。
石の滝つぼは水を浄化しているかのよう。
黄金とか………欲深い自分も浄化していただきましょう。
滑らかな凹凸は優しさに繋がります。
始終、いかなるときも滝に打たれているあの岩、雰囲気出ていると思いませんか?
まるでローブを纏ったレディのよう。
細かい部分も魅力的。
開放的な滝前で、あっちこっち動き回り、時にたたずんで良い時間を過ごしました。
滝前で軽~くお昼もいただきました。
時間よ止まれ……と。
遊歩道は350m、行きはなかなか着かないけれど帰りは早いですね。
竹林を抜ければその先に相棒が待っている。
きっと「遅っせーなぁ」って思ってんだろうなぁ。
【まとめ】
◯2023.11.2 ひとりで。
◯天気は晴れ。
◯鳥取県山間部の良い滝の梯子。
◯秘境感の法師ヶ滝。
◯開放的な馬場の滝。
◯ともに台風の影響あり。
◯訪れた滝
○法師ヶ滝:鳥取県鳥取市
○馬場の滝:鳥取県東伯郡三朝町