短い秋は西に向かう #1


日本の四季で秋が好きです。

過ごしやすさ、詫び錆びが、きっと自分好みなのだと思います。


その大好きな秋が短いと感じる今日この頃。


夏と冬の間に

秋をおきました♪

たから秋は少しだけ

中途半端なのです♪


なるほど。

今年の秋を楽しむために、山陽・山陰の滝旅に出かけました。


14:30 自宅を出発。

取り敢えず670km の彼方へ走行時間は8時間。


新東名高速 清水S.A
少し早めの夕食は海鮮丼で。

伊勢湾岸自動車道 刈谷ハイウェイオアシス
天然温泉 かきつばたの湯♨️
西日本に前入りする時よく利用します。

渋滞、食事、温泉、こまめに休憩。
日付が変わった1:00頃、兵庫県の西端、中国自動車道 加西S.A で力尽きました。

夜が明けて。
加西S.A では何度も車中泊しているので、テキパキと出演準備。何時ものように最後に沢靴を履いてスイッチオン、出発しました。

念のため最終となる勝央S.A に寄りました。
相棒に戻り着座しようとすると………なんと

シートにガムがベッタリ

自分はガムは口にしないので、加西S.A で沢靴を履くためベンチに座った時に沢パンのお尻に着いたのです。

取り敢えず運転できないので取れるだけ取りましたが、シートの細かい空気穴に押し込まれたガムはどうしようもありません。きっと夏の熱さでベタベタになるんだろうなぁ。

沢パンのお尻にもベッタリ。沢靴を履いてしまったので脱ぐのは難儀、ウェアは汚れてナンボと思っていますが、こういうのは受け入れがたいです。

怒りと、やるせなさと、憂鬱の極み。
まったくテンションがダダ下がりです。

失意のなか高速道路を降りて岡山県と鳥取県の県境付近、落合渓谷に向かいました。

渓谷の入り口に着くと………ああ。
今年 8月の大雨で被災したそうです。

実は事前に複数の行政に問い合わせたところ、回答が個々に異なっていました。

一縷の望みをかけて来ましたが残念です。
無惨にもアスファルトが、ひび割れて、裂けて、捲れて………。

まだ滝までは距離があるし、歩行可能かどうかも不明。諦めて相棒をUターンさせて次の目的地をインプットしていました。

正に出発しようとしたその時、チラッとサイドミラーに人影が。通行止めの向こう側に誰かいる!

お話しだけ聞いておこうと相棒を飛び降りて駆け足で会いに行きました。

………で、この後の展開は大人の事情で割愛させていただきます。
落合渓谷は車道と遊歩道があり、三つの滝に繋がっているようです。

滝の入り口。

階段を登ると滝が見えてきました。

白髪滝
落差15m この日の水は少なかったです。

それでも、岩の形や模様が面白いなぁ。

自然が細やかに主張する造形に目が釘付けです。

乾いているところは無機質に、濡れているところは艶かしく。

水は少ないながらも滝は直瀑。

岩の種類には詳しくありませんが、玄武岩だそうです。

右岸に祠があって、滝の中程に近付くことができます。

木漏れ日からの光が水を輝かせる。

これだけ凹凸があると登れたりするのだろうか。

白髪滝は水量が多い時の写真が多いのだけれど、炊飯と同じく水加減が難しい。

木々の彩りを感じとりながら次の滝へ。

大滝へは林道から300mほど歩きます。

白髪滝への途中から少しだけショートカットできます。

遊歩道を登っていくと、少々、荒れた雰囲気。

柱状節理の断崖に、ひっそりと滝。

大滝
落差10m 白髪滝とは同じ玄武岩でも様相が異なります。

幅広の縦の大雑把な凹凸に、細やかな横縞模様。

あまり類を見ない柱状節理。

平水でそこそこの水量なら、この断崖一杯に水を落として、さぞかし豪快な姿をしている滝だと想像します。

上の方は黒々と、下の方は焦げ茶色。

木々を彩る紅葉は綺麗だけど、滝つぼを彩る落ち葉もまた綺麗だ。

岩に魅了されました。

どこから見ても美しいです。

天気はぴーかんの晴れ。素晴らしい滝に会って気持ちも晴々してきました。

それではラスボスの布滝へ。

林道から外れて登っていきます。

布滝園地、滝への入り口。

黒岩高原は標高800m ほど、紅葉が綺麗でした。

5分ほど歩くと滝の少し手前に解説板。

布滝 のんたき
見えないナメ滝部分も合わせて落差 50m。

紅色や山吹色と滝の競演ですね。

白髪滝と大滝は支流の滝、布滝は落合川の本流の滝。黒岩高原を集水域としています。

滝の正面、右岸の階段を登ってみました。太陽が燦々と滝に降り注ぐ。

水はピンボールの釘のように翻弄されながら、別れたり合わさったり波乱の落ち方をしています。

なんとか上のナメ滝を見れないか、上まで登ってみましたが………諦めました。

滝前から。水が多ければここには立てない………かも。

閉鎖的な滝つぼは少し怖い。

秋の日差しを滝とともに浴びながら、しばらくゆっくりと過ごしました。

あわよくば雲が来ないかと何度も空を見上げましたが、キッパリと太陽。

落合渓谷には昨年も訪瀑予定でしたが通行止めで叶いませんでした。こうして会うことができて良かったです。

あの一瞬、人影が目にとまらなかったら、間違いなく諦めて次の滝に出発していました。

タラレバはいけませんが、忌まわしいガム騒動がなければ………お尻にガムがくっつかなければ滝には会えなかったと思います。

幸か不幸か
不幸中乃幸いか
災い転じて福となす

そんな事を思いながら、山陽・山陰の滝旅が始めました。

【まとめ】

◯2023.11.1 ひとりで。

◯天気は晴れ。

◯幸か不幸かお尻のガム。

◯落合渓谷、通行止めは大人の事情で。

◯白髪滝は岩盤の凹凸が面白い。

◯大滝の独特の柱状節理。

◯太陽燦々、紅葉と布滝。


◯訪れた滝  落合渓谷

○白髪滝:岡山県 津山市

○大滝:同上

○布滝:同上