【あとのせ滝旅】
お目通しいただく際には、必ず訪瀑日をご確認下さい。当時と状況は変わっていますので、ご自身で最新情報にあたっていただき、訪瀑は自己責任でお願いいたします。

--------------

訪瀑日:2014.8.22-23

夜の東北道を北上し、漆黒の闇の国道を100km強、数時間かけて走り抜け………

はるばるやってきたのは、尾瀬御池。
既に寝る準備は整えており、到着の安堵で直ぐに寝ました。

朝、目が覚めると、周りには沢山の車が停まっていましたが、登山客は数人。もう、出発したということか。自分ものそのそと準備して、初めての尾瀬に出発です。

関東から尾瀬なら、南の群馬県側 鳩待峠から入山しますが、滝に重きを置いているので、ぐるっと回り込んで福島県側からのルートを計画しました。

入山者数のカウンターを通過して、直ぐに燧ヶ岳登山道との分岐があり、いつか、そっちにも行ってみたいと。

初めての尾瀬、滝を通じて淡水好きな自分としては、沼や湿原にも惹かれます。

目が覚めるような青空と、湿原のトレッキングは本当に楽しいです。木道があるお陰で、この無垢の自然の地に足を踏み入れることができるのですね。

天神田代の分岐からは、燧裏林道をそれて渋沢温泉方面に進みます。

このルートは所々不明瞭で、枯れ沢でルートを失いながらも、どうにか滝の分岐まで到達できました。

シボ沢沿いに進んで行くと………
滝が見えてきました。

渋沢大滝
落差50m の堂々たる滝です。

もう少し近づきたかったのですが、登山靴だったことと、余力を残しておきたかったので、遠望で失礼しました。右岸の絹糸の滝も、見逃してしまいました (>_<)。

温泉成分を含んだ沢の水が印象的。

途中、渋沢温泉小屋のご主人とすれ違いました。たった今、自分か歩いてきた道は、ご主人達が整備されていると聞きました。

渋沢温泉小屋は2014年に雪で損傷し、現在は取り壊されて更地になっています。沢に架けられていた橋も流され、当時歩いたルートも自然に還りつつあるようです。自分はこういうことに、全く無力です。

何度か沢を渡り、小沢平からのルートに出合い、待っていたのはつづら折りのきつ~い登り。

御池からの林道と合流して三条の滝方面に。今度は、だらだらと激下り。

三条の滝展望台まであと少し。

目的の滝が初めて視界に入ったとき、なんと表現したら良いのだろう。

三条の滝
尾瀬の全ての水が幅30mに集約されて落差 100mを落ちる、只見川本流の滝です。

写真で滝の大きさを表現することは難しいのですが、普通に撮っても "でっかい滝" であることが伝わる………それほど凄い滝です。

おそらく、この日の水量はやや少な目でしょうか。あまりに多いと、豪快さは増すものの、巨大な一本の水柱となり、滝つぼも水煙で霞んでしまって、良く見えないかもしれません。

青空を入れて。躍動する尾瀬の水の流れ落ちる様は、いくら見ても飽きません。

一流の冒険家、沢ヤさん、滝ヤさんは、滝つぼに到達されていますが、六感で感じる生の世界はどんななのでしょう。想像するだけでワクワクします。

観瀑台には数組、お客さんが来ましたが、直ぐに階段を登って去っていきました。ほぼ、一人占めしてやりたい放題。

ベンチに仰向けに寝っ転がって、空と正面から向き合う。

ひとしきり三条の滝を堪能し、赤田代を目指します。

ルートは滝の上流、只見川に沿って続いており、少し高度を上げた岩の展望台から………

平滑の滝
幅50m 全長 500m 本流の渓流瀑です。遠くから聞こえる水の音が、とってももどかしい。

超豪快な滑床。ナメ好きの自分としては、もう、狂喜乱舞です。実際に歩いてみれば、結構な段差が連続しているのでしょう。

ようやく赤田代に到着。宿泊は元湯山荘です。

山荘と言っても、個室で温泉があり、一日の疲れを癒してくれます。

夜、夕立。山の雷って、音が地面を揺らすような重低音で、神々しいです。

そして、夜が明けました。

朝食で同じテーブルについた女性の方々と、珍しく談笑した時。「滝をめぐっています」と言うと「あらまぁ、素敵ですね」って。

山ヤさん、沢ヤさん、釣り師さん、マタギさん、秘湯の女将さん………「滝が好きでめぐっている」と言うと、誉められることが多く、嬉しい気持ちになります。

朝方の雨は直ぐに上がりました。
雨なら最短コースで御池口に帰るつもりでしたが、折角なので遠回り。

見晴に向かって歩きます。

尾瀬ヶ原
青空も見えてきました。

誰もいない尾瀬ヶ原。

あっ!虹🌈!

見晴から竜宮十字路に。

植物のことは良くわかりません。でも、雨に濡れて生き生きしているのが、ひしひしと伝わってきます。

竜宮現象?
竜宮現象とは、湿原を流れる川が一度地中に潜り、再び流れ出る現象のことです。

この竜宮現象で回れ右、見晴に戻りました。

またしても虹🌈。

見晴に着く少し前に、大粒の通り雨が突然、降ってきました。雨雲が通りすぎるまで、弥四郎小屋の軒先で雨宿りさせていただきました。

雨上がりを待って、白砂峠を越えて沼尻へ。

途中の白砂湿原も綺麗でした。

一直線の木道の先は、苦労して越えてきた白砂峠です。

尾瀬沼
北岸道から。思いのほか、大きな沼でした。

尾瀬沼のビジターセンターに寄って………

尾瀬をあとにしました。

尾瀬沼が見える最後の地点。

無事、尾瀬沼山峠に到着。尾瀬のハイカーに混じってバスで御池に戻りました。

かなり歩いたハズですが、カラ元気を発揮して滝に会いながら帰りました。

モーカケの滝
国道352号線のつづら折り、駐車場から徒歩数分。観瀑台から遠望となります。

落差 50m は遠望なので小さく感じてしまいます。水の落ち方が優しい滝ですね。

竜の門の滝
会津駒ヶ岳の登山口、駐車場から遊歩道を歩いて20分ほど、後半の急坂を登りきり、観瀑台からの遠望となります。

上段の滝つぼから溢れ出て、すぐに下段の滝となる、合計落差 60m 端整な二段の段瀑です。あの滝つぼを間近に覗いてみたい。

この日は、更に栃木県塩原周辺の滝をめぐって、ようやく帰宅の途につきました。


初めての尾瀬。

山小屋なんて自分には敷居が高くて、まだ泊ったことないし、なんとなく先の将来でいいかな………って。尾瀬デビューは遅いほうだと思います。

その少し前に、山梨県のある山小屋に泊ったことが引き金となり、一気に気持ちが向きました。僕はつくづく単純な人間だと認識しています。

この二日間で、尾瀬の滝と湿原と沼を心行くまで楽しませていただきました。

尾瀬を再訪するのなら、燧ヶ岳か至仏山に登って尾瀬を見おろしてみたいです。
また、モーカケの滝、竜の門の滝は、尾瀬のついでに寄る滝としては、あまりに勿体無い滝です。改めて、じっくり会いに行こうと思っています。

"遥かな尾瀬♪" が、少しだけ身近になった、そんな滝旅でした。

【まとめ】
◯2014.8.22-23 ひとりで。
◯天気は概ね晴れ、一時通り雨。
◯ひっそりとした渋沢大滝。
◯豪快な三条の滝。
◯平滑の滝のナメに思いを馳せる。
◯尾瀬ヶ原、尾瀬沼を満喫。
◯新たな課題がたくさん。

◯訪れた滝
○渋沢大滝:福島県 南会津郡 檜枝岐村
○三条の滝:同上
○平滑の滝:同上
○モーカケの滝:同上
○竜の門の滝:同上