西表島へ滝旅 ②

滝めぐり1日目。

前日の天気予報通りの雨模様。

雨で停滞でも1日だけなら対応できるように計画を立ててはいるものの、初日からいきなり貯金の消費は厳しいなぁ。

それでも南の海は自分に優しく「一日ゆっくりしてはどうですか?」と言われているようでもあり………う~ん。

雨は降ったり止んだり強弱のある降り方のようなので、予定通り自力で浦内川(うらうちがわ)のマリュドゥの滝、カンピレーの滝に会いに行くことにしました。

朝、やまねこレンタカーさんで車をお借りして直ぐに浦内川へ向かいます。

ここから遊覧船で8km先の軍艦岩 船着き場まで浦内川を遡る30分程のクルーズです。

9:30 発 始発の船にお客さんは15人ほど。
時期によって発着時刻は異なるのでご注意下さい。

人工物が何も目に入ってこない強烈な緑の景色を楽しみます。

雨は時々、パラパラと降る程度。船頭さんも「この程度なら行って来れるでしょう」と心強いコメントを。

どんどん遡行すると、やがて淡水の川となって植生が変わってきます。

10:00頃軍艦岩に到着。通常は2時間後の船に乗って戻るようですが、自分は滝でゆっくりしたかったので「13時の船に乗る予定です」と船頭さんに伝えて一番最後に歩き始めました。

上流をみれば川の表情が一変しています。

直ぐに屋根のある休憩所、この少し先にお手洗いもありました。

遊歩道は概ね整備されていて、きついアップダウンもなく気持ち良く歩くことができます。

ただ所々に島独特の砂岩や粘土質の土が露出していて、スニーカーでは厳しいかもしれません。自分はいつものビブラムソールの沢靴を履いています。

す、す、凄い根っこ。板根。

展望台までの遊歩道には、3つ、4つ支流からの流れの小滝がありました。亜熱帯の雰囲気が満載なんです。

木の枝に根を張ったヤエヤマオオタニワタリ (かな?)。着生植物と言うそうです。

いろいろに目を奪われながら30分程歩くとマリュドゥの滝の展望台に到着です。

はるばる会いに来ましたよ~。

かなりの遠望ですが最西南端の日本の滝100選。

マリュドゥの滝
亜熱帯の森のなか滑床を落ちる滝。とっても広い直径130mの滝つぼも特徴的です。

ちなみに「マリ」は「丸い」で「ユドウ」は「淀」、つまり「マルイヨド」≒「滝つぼ」が名前の由来だそうです。

一段目、二段目、三段目と落差を増していき、合計落差は約20m。ガイドブックなどには二段の滝と紹介されていますが、自分の見た目は三段ですけど (^-^)v。

水量が豊かでないとこの滝つぼを満たすことはできませんね。

先行のお客さんが居なくなり、ひとりになって滝を眺めしばらくまったりしていると………

チクッ!

そうです。あの時のあの感覚 (>_<)。

パンツをたくしあげると、お久しぶりのアイツが右足に取り付いていました。既にヒルジンを打ち込まれ、パチッと弾くと傷口から血が滴りました。

展望台から先の遊歩道は、心持ちワイルドになってきます。

少し歩くと直ぐにマリュドゥの滝への分岐。但し、以前に転落事故が発生してから封鎖されているはず。

入口に表示はなく興味本位で階段を降りていくと………

真新しい観瀑台で滝の近くまで行けました。

この観瀑台は昨年完成したばかりで、直ぐに台風で下部が倒壊してしまったと後にお聞きしました。

遠望の滝を目の前にすれば嬉しさがふつふつと湧いてきます。

間近で見るマリュドゥの滝は、雄大で鋭角な印象を持ちました。

背景の山や緑の原始林も含めて良いロケーションです。

浦内川本流の横一面に飛沫をあげる、(自分だけが勝手に言っている) 一段目。

その上は穏やかな流れ。

滝を中心に風景の全体を目に焼き付けます。

滝の直ぐ横に立ちたかったのですが、観瀑台の下部は不安定で危険だったため自重しました。

遊歩道に戻り上流のカンピレーの滝を目指します。

これは支流の沢………ではなく遊歩道は更にワイルドに。今のところ雨は止んでいますが、濡れて光沢を増した道に思わず足を止めてしまいます。

やがて東屋があってその先がパーーーッと開けます。

カンピレーの滝
広大な一枚岩の渓流瀑。岩盤が脆いので起伏や嘔穴が多く独特の雰囲気です。

滑床好きの自分としては逆上もの。
早速、川岸に降りて沢歩き~。

砂岩(?) の岩は、コケ以外はビブラムでも良くグリップしていました。

長さ200mの、どこからどこまでがカンピレーの滝なのかはわかりませんが、落差のある段と滝つぼがあるところ。

この滝の付近「カンピレー」は「神が座る」との意味で西表で最も聖なる場所なのだそうです。

………ですので僕は神ではありませんが、取り敢えず座ってみました。

本流の滝の流れは確かに神々しくもあり。

付近には大きく深い嘔穴がたくさん。この日の昼の気温は20℃ 、浸かるには少々寒くイクジナシです。

それでも飛沫を浴びる位、滝との距離を縮めれば、ああ………言葉になりません。

段差を登って落ち口に立ちます。

流れ落ちる水を見ていると、やはり滝は生きていると思えるのです。

おかしな表現なのですが "雄大なせせらぎ"。

渓流はまだまだ続いていて、あそこまで行ってみよう。

小さな嘔穴も連続すれば何かに見えなくもない。

広大な淵の先にも滝のような流れが見えていました。

この流れの、ずっと、ずっと先にある、マヤグスクの滝に想いを馳せます。

そんな気持ちでいると、支流の小滝の段々が一瞬 "チビマヤグスクの滝" に目えたりもしてきました。

あっ!

ハート♥️の嘔穴………発見 (^-^)v。

12:10 余裕を持った滝時間も自分には足りませんでした。カンピレーの滝の奥から、船着き場まで45分と見込んで帰路につきます。

ああ、もう1時間、延長しても良かったかな。
この時はそう思いながらテクテク歩いていました。

帰路は多くのお客さんとすれ違いました。

結局、雨は殆ど降ることなく………。

船着き場には既に13:00発の遊覧船が来ていて、定刻に出航しました。

聖紫花
日本では石垣島と西表島にしかないツツジ科の木。幻の花と言われているそうです。

「間もなく雨が降ってきます。皆さん真ん中の通路側に移動して下さ~い」と船頭さん。
そして土砂降りに。相変わらず、滝の水飛沫に濡れるのは気持ち良いのに、雨に濡れるのは気持ち良くない。

帰路ですれ違ったお客さんは軽装な方が多かったけど、この強い雨は大丈夫かな?

その後も雨は降り続きました。海水が混じり、塩分濃度が増すと、オヒルギなどマングローブが目につくようになります。

14:30 頃船着き場に帰着。お世話になった遊覧船にバイバイして、この日限りの相棒にダッシュして戻りました。

残りの時間は島内観光。その為にレンタカーを借りていました。幹線道路沿いの滝があれば良いのですが、なかなか見いだせず、折角なので有名なスポットに。

子午線モニュメント
世界中でこの一点、奇跡の数式が並んでいます。

スーパー八重
島内にコンビニはありません。どこで入店しても同じというコンビニの安心感とは別の、ワクワク感が押し寄せてきます。

野生動物保護センター
にゃん好きにはたまりません。

イリオモテヤマネコ 🐈️は耳が丸まっているところがイエネコとの相違点。島内生息数は100匹ほど、島の住人でも遭遇するのは数年に一度だそうです。

由布島
雨でお休みかと思ったら水牛さんは働きものです。

立派な角です。

御者さんと水牛は以心伝心。感情があってとても賢いようですよ。

上陸したら直ぐに折り返そうと思っていたのですが、御者さんの気になるお誘いを聞いて島内散策することに。

マングローブ遊歩道。

干満による変化が干潟の魅力。

白い砂にマングローブ。

オオゴマダラ
国内最大級の蝶。食草:ホウライカガミのアルカロイド毒を体内に貯められるので、捕食されるのを免れているそうです。

そして

御者さんが言っていた

目にすれば「金運が増す」「願いが叶う」

黄金の蛹 (さなぎ) ✨
しかと目にしました (^-^)v。

目立つ黄金色は「私には毒があって食べるとひどい目に合いますわよぉ~」と鳥達に警告してるそうです。

人間界でも………( *´艸`)。

僕の願いが叶うように「フレーッ フレーッ」と応援してくれています。

雨のなか30分滞在し由布島を後にしました。のんびり、ゆっくりと海を渡り戻ってきました。

お宿のある上原に戻る途中。
現地に行かれた方にはわかっていただけるこの一枚。その答えは次のブログで。

"あおちびき" のお刺身が美味しかったなぁ。

こうして雨を際どく避けた滝めぐりと観光の一日が終わりました。

長い記事を最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

なお、滝の名称ですが、島の言葉というか発音は独特で、それを文字にすると表記も微妙に異なります。ここでは汎用されている「マリュドゥの滝」「カンピレーの滝」とさせていただきました。

【まとめ】
◯2020.3.19 ひとりで。
◯天気は曇り後雨。
◯浦内川の遡行。
◯日本の滝100選のマリュドゥの滝に会った。
◯神の座、カンピレーの滝に触れた。
◯雨のなかの島内観光。
◯黄金色の蛹。

◯訪れた滝
○マリュドゥの滝:沖縄県 八重山郡 竹富町
○カンビレーの滝:同上