5月 紀伊半島 貫禄の滝をめぐる⑩
大台ヶ原駐車場での過酷な車中泊。
夜、風で相棒が揺れて丸まっていないと寒い。
それでも、うとうとしながら明け方の3時頃、ヘッデン持ってお手洗いに。
え?………駐車場はほぼ満車、停められない車と早発ちの方々の往来で賑やか。
遠征の最終日、大台ヶ原の中の滝・西の滝に行ってきました。
いや………滝見尾根から会ってきました。
西大台利用調整地区は自然保護のため、入るためには事前申請と30分の講習が必要です。中ノ滝、西の滝はその区域にあるのですが、滝見尾根はその外と判断しました。ルートは昔の道を辿りますが、現在は公式なものではなく自己責任での行動となります。
行程を書くか迷いましたが、自分達も先人の方々の情報を参考にさせていただき入山しましたので、記載することにしました。
寒さと風は事前に情報を得ていたので、出発を遅らせて気温が上がってから行動開始。
準備して8:10頃に出発。風が強く雲の流れがすごく速い、そして寒い。
シオカラ谷の吊り橋まではずっと下り。帰りのことは考えません。
僕は沢筋を歩くことが多いので、こういう山の風景はとても新鮮です。靴も沢靴ではなく登山靴ですし。
緑の濃い季節を想像しながら歩きます。
途中、とてつもなく長い、一直線の下り石段があり更に下ると………
滝見尾根に到着、所要時間は2時間40分でした。フリーズするイチカメさん。
中の滝と西の滝
ほかに類を見ない絶景。北中さんの日本の滝② 176ページの写真が現実のものとして目の前にあります。
虹🌈のスケールもでっかいです。
谷底の滝前から見上げる西の滝はどんな景色なのでしょう?
もう、必死に歩きました。
でも上りは覚悟していましたし、往路で一度歩いたルートを見極めながら進むのは気が紛れました。
そして何よりも………
振り返れば中の滝が時折見えて、いつまでも手を振ってくれていました。
綺麗な水………
あれ?
行くとき見ましたっけ?
目印のテープは所々ついていて、まだ先に延びています。
どこで (往路の) ルートを外れたんだろう?
更に進むと………
現在地を示す案内板が。そこは東の滝の落ち口を通る、もうひとつのルートだったのです。
結果オーライではありますが、予定のルートをいつしか外れて彷徨していたことになります。
シオカラ谷のナメ。
東の滝 (落ち口)
落差25mの落ち口です。
目の前を流れる水は、中の滝、西の滝と出会い、やがて坂本ダム、池原ダムに注がれる………そう思うととても不思議な気持ちです。
落ちていく水の先に見える、切れ落ちた景色が想像を働かせます。
この川を遡行すればシオカラ吊り橋に出る………ホッとしました。
ただ僕の "ホッ" はルートに乗った安堵ではなく、川沿いを進み、何十メートルかの登りをショートカットできたことによるもの。
関西のブロ友さん達が愛する紀伊半島の屋根………僕も少しだけ、でも存分に楽しませていただきました。
最後に〆として滝遠征の余韻を楽しむ。
自宅にナビをセットすると470kmで7時間。
連休の中日のため名物の渋滞もなく、途中、仮眠をして、明け方、無事に帰着しました。
【まとめ】
◯2018.5.4 イチカメさんと。
◯天気は晴れ時々曇り。強風。
◯大台ヶ原で過酷な車中泊。
◯貫禄の、中の滝、西の滝。
◯滝見尾根へのルートを楽しむ。
◯〆な蜻蛉の滝。
◯訪れた滝
○中の滝:奈良県 吉野郡 上北山村
○西の滝:同上
○東の滝:同上
○千石の滝:同上
●蜻蛉の滝:奈良県 吉野郡 川上村
○○○総括○○○
今年、二度目の紀伊半島への滝遠征。3月は和歌山県に絞り込んで巡ったのに対して、今回は奈良県、三重県、和歌山県を縦横無尽に巡りました。天気の影響で行けなかった滝もありましたが、臨機応変に上手く対応して、約30の滝の素晴らしい姿に会うことができました。
"貫禄"という表現をしたのは、自分の中で"この滝にはどうしても会いたい" という大滝があって、その滝を中心に計画を立てたからです。
1日目:布引の滝、中津谷の滝
2日目:ナル谷大滝
3日目:琵琶の滝、笹の滝
4日目:中の滝、西の滝
1日目は二年後越しに実現した運命のめめめめさんと。滝での振る舞い、斜面の下降、魔法のような黒いロープ(笑)、学ばせていただきました。ご案内いただいた地元の滝は、味わい深く、心底、楽しかったです。
2日目からはイチカメさんと。折角、一日早く合流いただいたのに、天気が悪く、申し訳なかったです。でも、ナル谷大滝や琵琶の滝に、あれほど長時間滞在する人も滅多にいないと思うので、お互いに幸せな時間を過ごすことができたのでは (^-^)v。
そして過酷な条件のなか、あの突風に震えながら、滝見尾根から見た増水の中の滝、西の滝は、ずっと忘れることは無いと思います。
ご一緒いただいたお二人に導かれ、素晴らしい滝めぐりとなりました。ありがとうございました。
紀伊半島は来る度に会いたい滝が増えていく、滝の聖地。すでに遠征二回分くらいのイメージはできているので、あとはいつ行くかだなぁ。
長~いブログを、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。