2017年 夏の東北 滝めぐり⑩

前夜、寝落ちした分、早く起きて1日の行動を考えます。

窓の外はいかにも雨上がりの空気、天気予報は晴れ。

いくつかの選択肢から、森吉ダム 大平湖の小又峡に行くことにしました。2011年8月以来、3回目となります。

ここ数日は天気に翻弄され、森吉に泊まって阿仁の沢に、阿仁に泊まって森吉の峡谷に。
ちぐはぐではありますが天気に対応した滝めぐりができていると思います。

小又峡には大平湖グリーンハウスから遊覧船で入口桟橋に渡り、遊歩道を三階滝まで40分。

スニーカーでも行けますが、僕は沢靴で積極的に水に入ります。

遊覧船の始発は9:30。

森吉山荘を過ぎ、急な坂を登っていくと、大平湖が見えてきました。

小又峡は桃洞の滝があるノロ川の下流になります。

9:00前に大平湖グリーンハウスに到着。
しばらくすると職員さんがいらっしゃいました。

お早うございます!
来ちゃいました!
田中さん、宜しくお願いします!

そう、一昨日、森吉山荘でお会いした田中さんは、沢ヤであり、写真もやり、さらに大平湖遊覧船の船長さんでもあるんです。

じゃ、準備するね………と桟橋へ。

ハウスの受付で料金を支払って桟橋への坂道を下っていきます。


お客さんは僕ひとり。
桟橋へ直行でいいですよ………と。
7月からの雨の影響で湖水は茶色に濁っていました。

この森林トロッコの軌道跡が目印です。妙に自然に溶け込んでいると感じます。

小又峡の桟橋が近づいてきました。

豪雨のときは、この辺は滝だらけだったよ~。
そんなときに来たんですかぁ?

船を降り、昨日雨だったので、念のため千畳敷の飛び石まで職員さんが同行してくれました。

昨日の雨が嘘のよう、いい天気になりました。

あの流れ込みが気になります。


千畳敷の飛び石
「うん。これなら大丈夫。気を付けて行っていらっしゃい(笑)」と職員さん。

………って川幅一杯に、
過去最高の水量ではないですかぁ!

曲滝
左右と出前の三方向から水が流れ込みます。
平水ならすぐ近くまで近寄ることができるのですが。

一枚岩の岩盤を巨大なスプーンですくったような。

桃洞滝に行かれた方はわかると思いますが、コーヒー色の水はノロ川の特徴です。

この素晴らしい峡谷を、独り占めさせていただき、もう嬉しくって………。

滝と、ナメと、嘔穴しかありません。上流の桃洞、赤水は渓谷、ここはスケールが大きく峡谷です。

三角滝
落差は無いのですか横に長く。小さな直瀑がたくさん並んでいるようにも見えます。

忽然と現れる橋、何故か風景にマッチしているように感じてしまいます。

穴滝
この日は二つの穴から水が溢れて、穴の形がよく分からないほどでした。

滝つぼの流れの左岸にも水が削った穴があり、だいたい滝そのものが穴のようなものですね。

水はただ岩の窪みを流れてくる、当たり前のことなのですが、どうしてこうも美しいのでしょうか?

時間はたっぷりあるし、じっくり楽しみながら歩いていきます。

嘔穴は見る方向で、いろんなものに見えてきます。そんな見方に長けていて想像力が豊かな方が、ヒトの顔やハート形を見つけるのですね。

また滝が見えてきました。しかも………

龍神の滝
ああ。絶好の滝見風呂です。
ちょっと深そうで入浴はまたの機会に(笑)。

沢靴で躊躇せずに……と言いますか故意に水の中を歩きます。

そんなナメ歩きもそろそろ終わり、川幅が狭まってくると三階滝まであと少しです。

船着き場から1.4km ほど。

化の滝
川幅が狭まれば水は早く流れます。
足元は化の沢で、すぐ先が滝になっているのですが、見ることも覗くこともできません。

化の堰
こんなに狭い岩間を、水は不気味にゆっくり流れます。どれだけ深いんだろう。

その右岸にルートがあります。

無名滝(穴あき岩の)

岩に穴があいていました。

そして、いよいよ………(^-^)v。

三階滝
何度来ても魅了されてしまいます。
岩盤の形状、水の流れ落ち、緑の入り方、滝音、飛沫………。

一段目の落ちる、二段目の(岩盤を)伝わる、この対比も面白いです。

うわぁ~!
太陽の光に当たり風が吹くと水煙がフワッと立ち上がります。

陽の光と空気(の流れ)と水飛沫の共演です。

滝つぼに慎重に降ります。手掛かりはあるし、沢靴もグリップしますが………

万が一落ちたら…………圧倒的な水流に流され、穴の無名滝にもてあそばれ、化の堰の底に沈むのでしょう ((( ;゚Д゚))) 。

ああ至福の時。


はくしょん大魔王が出てきそう ( *´艸`)。

水面(みなも)を感じて、うっとりします。

水に濡れた岩盤の曲線美、妖艶さを感じてしまいます。

最後にもうひとつ………ふわぁ~っと。

来る度に違う表情を見せていただき、ありがとうございました。

何時までもいたかったのですが、三階滝をあとにしました。

長くなってしまいましたので一区切り。
2017年 夏の東北 滝めぐり⑪に続きます。

◯2017.8.30 東北6日目 ひとりで。
◯天気は晴れ。