3月 西に向かって③

滝に会うにつれてスッキリしていくのが、自分でもよくわかります。


いなべ市から南下して、予定していた宇賀渓谷の滝はスルーして、菰野(こもの)町 の"あんさん" に。


あんさん………庵座の滝。

もう一つの教科書、北中康文著 滝王国ニッポン(えい文庫)でも取り上げられている滝。


片道、通常 60分、足がダメなら即座に引き返すつもりで臨みました。

登山届をポストに入れて、朝明ヒュッテ前の駐車場に相棒を停めます。

駐車料金¥500- を払い、情報収集。

ルートはハッキリしているけど、まだ雪が残っているかもしれません………とのことでした。


12:15 出発

基本、ずーっと登りですが、急登よりダラダラ登りが僕の足には堪えます。


堰堤を越え朝明バンガローを過ぎると見えてきます。山の傷口にガーゼを貼って修復しているような。



最初の徒渉。沢靴で来ていますが濡れずに渡ることができました。



でも日当たりの悪いところは雪が………沢靴、失敗だったかな?


3つ目の堰堤を左岸から巻いて暫く進むと、急登が始まります。


通過は5分くらい、トラロープが張ってありますが使わずによじ登りを楽しみます。


標識は多くはありませんが、ピンクテープと赤ペンキはしっかりと。こういうの、いいなぁ。

また、暫く進むと………
ああぁっ!

ずーっと雪で埋まっている!

ここで暫し考えましたが、チェーンスパイクを着けてトレースを辿ることにしました。

結構な長い登りで途中から雪の下は岩場のようで、何度も落とし穴にはまりました。

足の付け根まで………ズボッ。
また、ズボッ。
やっと引き抜いたら反対の足がズボッ。

もう必死で写真を撮る余裕はありませんでした。

なんとか……
なんとかクリアして雪が消えると小峠に。少し進むと目の前が開け………あんさんだ!

滝好きの習性………滝が見えると加速する

これがいけなかった。

このあと沢に降りるのですが、そこが判りにくいとネットには………。

注意して進むと、沢に向かってトラロープが………ここか?

なんの疑いもなく降りました (振り返って撮っています)。

少し進むと予定通り前衛滝が。

三つ滝 → 無名滝

変化と要素に富んだ、とても素晴らしい三段の滝です。
※当初、無名滝と記しましたが、後に「三つ滝」といういい名前があると教えていただきました。名前があって嬉しいです。
※※後に「三つ滝」は、庵座の滝の上流にある滝との情報をいただきました。ですので、この時の名前は無名滝に再度、訂正させていただきます。(2017.12.1)


水も澄んでいました。


で………前衛滝は右岸の鎖を伝って巻くのですが、いくら探しても鎖がありません。

リュックからプリントを出して、よ~く見てみると滝の形が明らかに違います。

このような場合、下降点まで戻るのが鉄則ですが、もう加速スイッチが入ってしまっています。

右岸のグズグズの急斜面に取りつき、かなり登ったところで、ニッチモサッチモ行き詰まりました。

ここで敗退?

上ばかり見ていましたが、ふと下を見ると少し下がって横に移動するルートがイメージできました。

ズリズリ滑りながらもどうにか突破。
クリアしたときの達成感がたまりません。
でも、ここを降るのは恐らく無理。

気を取り直して進むと………、

本来の前衛滝とその向こうには、あんさん。

右手を見れば、登山道からのロープが見えています(写真には写っていません)。


前衛滝も綺麗な滝つぼを持っていました。



鎖を伝って巻いて………


雪の残る沢を進み、13:45 直下に到着しました。

庵座の滝

この日の水量では2条で飛び出し途中で合わさる直瀑です。


水が多ければ、もう少し広がって落ちるのでしょうか。

岩壁が細かく変化に富んでいて、右上から左下にむかっているのが特徴です。


滝の上は風が強いのか、水が翻弄されて降ってきます。



庵座の滝には青空がとても似合います。


落差の割に小さめの滝つぼ、大好きなブルーグリーンです。


落ち口で飛沫が上がっているのは、岩壁の細かい凹凸のせいですね。


遅めの腹ごしらえをして、動き回るのではなく、じっくりと滝を感じていました。


ずっと、とどまっていたかったのですが、そろそろ。

帰路は正しいルートから安全に。

沢への下降はここからでした。

もう一度、振り返ってあんさんを。

まだ雪が残っていますが、もう間もなく消えて木々の息吹きが滝と共演するのでしょう。


先行きがわかっていれば、不安もなく進めます。

落とし穴には、何度もズボッ としましたけど。


こういう堰堤には、一つ穴から五つ穴まで、よく見ると愛嬌があるんです。

そして15:30 に、無事、帰還しました。


この先には滋賀県 天狗滝への登山道入り口があるので、いつの日かまた来ることになります。

行き90分、帰り60分、まあまあ……です。

ルートを間違えたこと少し怖かったですが、それは楽しくもありました。なにより無名滝を見ることができて結果はオーライですね(笑)。

あおさん………蒼滝

湯の山温泉にある滝、正確なアプローチがわからなかったので湯の山ロッジの方から。

途中に通行止めの看板がありました。なんとかなると進みましたが、どうにもなりませんでした。


ものすごい高さの橋脚を造っていますので、いずれは国道から見る滝になってしまうかもしれません。これは建設中の新名神高速道路の橋脚でした。

今行くにはロープウェイ乗り場から登山道を行くようです。

乗り場の女性にお聞きしたら………
えっ、今から、行くんですかぁ?
山道で、たいへんですよぉ。
虫もいっぱいでますよぉ。


下って上がってまた下る、過酷なルートのようです。


0.2kmは200mのこと。行けばわかりますが絶対にあり得ません!

急な階段を何段も登って、登山道との分岐から階段を急降下、足はガクガクです。

あたりが薄暗くなり始めた頃、漸く蒼滝に着きました。

蒼滝

黒光りしているシックな岩壁、かなり高い所から流れ落ちています。

とても存在感のある滝です。


付近は水害で、所々、岩肌が露出していましたが水はあくまでも綺麗でした。


上の方は、かっこ良くひょんぐっています。




もう少し水が多いと、両側に水が散って末広がりになるのかもしれません。


色々な角度から眺めたかったのですが、だいぶ暗くなってきたので、泣く泣く戻ります。

この日の滝めぐりはこれで終了です。

十二坊温泉 ゆらら で汗を流して、

滋賀県栗東のガストで夕食、スタミナをつけて、今宵の宿泊地に向かいます。

最初、予定していた道の駅 しんあさひ風車村は現在(3/17)、閉鎖中で、もうひとつの道の駅に。

道の駅 藤樹の里あどがわ

営業時間に要注意ですが近くに、スーパーマーケット、マック、ファミレス、牛丼屋………敷地内にはローソンまであります。駐車場は広く整然としていて、大型車と隔離されているので静かでした。不必要に明るくなく清潔感のある快適な道の駅です。

近くには百選や有名な滝もありますので、滝めぐりで車中泊される方にお薦めします!

【まとめ】
◯2017.3.17 ひとりで。
◯雪の残る山道、沢登り、楽しかった。
◯どちらも落差のある美しい滝。
◯いずれ天狗滝にも。
◯足の負担、休憩、症状など確認。

◯訪れた滝
○庵座の滝:三重県 三重郡 菰野町
○三つ滝:同上
○蒼滝:同上