『あんなの待たせておけばいいのよ』
モチモチの魔女が私に悪態をつく。
立派なお屋敷のてっぺんにに住む一人ぼっちの彼女。
半世紀以上も前にここにあるピアノ。
『私から選ばれた人間しか私の近くにはいられないのよ』
決まり文句のように私に話す。
そんな彼女は誰からも嫌われている。
『私を誰だと思っているの!』
あなたはモチモチの魔女。
高い塔に自らを閉じ込めて動けなくなった魔女。
彼女が寂しいと腕を摩りながら隠れて泣いた日。
私の頭の中に降ってきた言葉が誰の耳にも届くように。
あなたの心の中にも必ずモチモチの魔女が住んでいるのですから。
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