重度の認知症を患う利用者さん。


『ご飯を食べて、薬を飲みましょうか』


『いやよ。わからない。』


私は交渉人。ご飯を作り食べさせ、トイレ介助と服薬を1時間で済ませなきゃならない。


『これはね、トキエさんの一日の仕事なんだよ』


『嫌よ、絶対に嫌!』


あの手この手をフル回転で考える私の頭。


『薬飲まないと死んじゃうよ。死んだら私悲しいよ』


『死ぬわけないじゃない(笑)』


仏頂面だったトキエさんが笑い出す。


ご飯を口に入れる。


45分の交渉、思いが伝わったと嬉しくなる。


人を思い通りに動かすことはなんて難しいのでしょう。


言葉が理解出来ない相手には尚更難しい。


難しい言葉を使いたがる人もいますが、簡単に端的に伝えることの方が本当は何倍も難しいのかもしれません。


『月が綺麗ですね』


『愛しています』という言葉がまだ日本になかったころ、ILoveyouをこんな風に訳した日本人がいたそうですが


こういうのはいいですね。


本当は『愛しています』じゃ気持ちは伝わらないのかもしれません。


『トキエさん、私はあなたのこと好きじゃないけど死んだら悲しいよ』


『それは私のことが好きってことよ』


『そうかな』


トイレに行き食事を済ませ、服薬したトキエさんが去り際に言う


『明日も来ていいわよ、あなた面白いから。あなたの事覚えているから』

これは、トキエさんからの『あなたが好き』の言葉なのではないかとあいまみは思う訳です。


勘違いの思い上がりだったら、申し訳ない。


結局『愛している』の言葉も誰かさんが作った借り物の言葉と言う訳ですね。



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あいまみ♪