『ねぇ聞いて、あたし嫁に殺されるかもしれないわ』


雨戸の閉まった薄暗い部屋の中、湿気った空気。


若年性認知症の息子さんをここ最近失ったばかりの彼女は不安定。


『息子はね、嫁に殺されたの』


その姿は火曜サスペンスで佳境に入ると出てくる証言者。


恐くてたまらない。


娘は10年前に自殺。もう一人の息子は脳梗塞で他界。


精神が参ってしまうのも当然です。


とりあえず、雨戸を開けて新しい空気を入れてあげ、話しを聞くと彼女は少し落ち着く様子。


『殺られる前にどうにかしなくちゃね』


おいおい!


どうするつもりなの?


嫁と刺し違えないでよ!

事務所に報告。


なるべく、家に居させないように配慮する。


一週間に1件ほどの頻度で殺人、殺人未遂が起こる介護の現実。


虐待の後を発見する度に胸が痛くなります。


立派に見える家の中ほど、人間関係はめちゃくちゃ


一度手に入れた物や自由を誰かの為に手放す事は難しく


生活水準を落とす事は困難。


だから子供と高齢者への虐待は後を絶たない状況なのでしょう。


家族間の文化が失われて行っている気がします。


お正月に豆まき、お花見にお彼岸にお盆。


こどもの日に菖蒲湯に入り、冬至はカボチャに柚子湯。


その季節の文化を楽しむ事によって家族の交流が図れていたんじゃないでしょうか。


そんな事を思いながらも、私自身疲れているを言い訳に出来ていない所が沢山あります。


介護資源にならない家族だけを責められないのかもしれません。


物と知識だけ与えられ、子供から大人になった人間が誰かの面倒を看るなんて無理でしょう。


残された日々が5年、10年もないであろう高齢者に


『殺されるかもしれない』


なんて思わせないような世の中になりますように。




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あいまみ♪