『あなた本当に大丈夫なの?若いし、気が合わない気がするわ』


上野生まれ、裕福な家で育った利用者様。


趣味は歌舞伎

家事なんてほとんどしたことがないそうで、正直扱いづらいなぁと思っていました。


でも仕事だから私もやることはやらなくちゃと思っていました。


ある日、本棚に目をやると美術書が何冊か並んでいたんです。


『ポール・ヴェルボー』

私の大好きな画家の画集があったんです。


そこから急接近しまして、坂口安吾、遠藤周作、マグリット、モネ、太宰治。


画家や作家など、彼女もよく話してくれるようになりました。


今日訪問すると彼女が言うんです。


『あまり苦労のない人生を送って来たし、お金もあるけど。息子はあまり来てくれないし、とても寂しかったの。』


私が頷きながら話を聞いていると、彼女の目に涙がうっすら浮かんでゆきました。


『でも、歳の離れているはずのあなたと話していると、こんな身体でも頑張ろうと思えるの。あなたの料理がとても美味しいのよ。始めて会ったとき無礼な事言ってごめんなさい。ありがとうね。』


何だか、なんとも言えないものが込み上げて来ました。


私自身、ありがとうと言われる事が当たり前になって来ていて


褒められても裏があるんじゃないかとうたぐり深くなって、自分を浅ましく思ったり。


彼女の純粋な言葉が胸に突き刺さるようでした。


彼女みたいに正直に生きたいなと。


私の知らないクラシックの曲が彼女の部屋に流れていて


曲名を知りたいけど、聞かないでおこうと思いました。


なんだかこの瞬間の空気が壊れてしまいそうだったので。




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あいまみ♪