ばぁちゃんと2年振りの再開。
胃ろうが入り病気の症状も進んで、発声が出来なくなっていました。
ばぁちゃんはそんな姿を見せまいと、あたしと会うのを拒んでいたそうです。
76年慣れ親しんだ大分県を離れ、叔母の住む静岡県に。
小さい頃からばぁちゃん子だったあたし。
仕事だったら…どんな難病の人にだって調子の良い言葉をかけられるのに
手を握って、うなずく事しか出来ない。
笑顔のばぁちゃん。
『久しぶりに良い笑顔のばぁちゃんを見たわ』
と叔母が言う。
生きているうちに後、何回会えるのだろうか?
出来ないこと、叶わない事は沢山ある。
でも
きっと、
出来る事も、叶えられる事も沢山ある。
着付けも、料理も裁縫もばぁちゃんに教えてもらった。
動けないばぁちゃんの替わりにこれからは、あたしがやればいい。
だって元気なんだから。
帰る道すがら、ツナミの様な侘しさにアイノウとはいかず。
国道一号と東名高速の通行止めに行く手を阻まれる。
情けない女が清水インターにぽつり 。