快適人生100年・・・・筋力維持も必要(そのメカニズムと栄養の関係)
快適人生100年のためには食生活が重要であることを繰り返してきました。
「血となり肉となる」という言葉があるように、食べたもの、つまり栄養がどのように肉となっていくのかを考えてみます。
筋肉が衰えると、重いものを持ったりすることがしんどくなったり、ちょっとつまずいただけで転んで最悪骨折するなど、快適さが遠のいてしまいます。
高齢になっても米の30キロ袋が持てたり(いや、これは10キロでもいいかな)、電車に間に合うためにスタスタと早足で駅に向かうことが出来るなら、支障のない日常生活が送れることでしょう。
アスリートでもない限り、日頃から自分の筋肉に関心を払っている人は少ないかも知れません。
しかしながら筋肉は、文字通り身体を支配する大きな要素ですのでまずそのメカニズムについて触れてみます。
筋肉を動かすと身体ではどのような反応が起きるのでしょうか?
まず運動を始めたとします(つまり筋肉を動かす瞬間です)
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すると心臓に信号が送られて脈拍が早くなります
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定期的な運動で新しい毛細血管を流繰り出すとともに赤血球の生成が加速されて酸素の運搬と二酸化炭素の排除が強化されます。同時に肺の細胞が開いて活発になります
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肝臓が食べものからブドウ糖を抽出する作業を始めます
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膵臓はグリコーゲンの補充を助けるためインシュリンを分泌します
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体脂肪の分解が始まり、遊離脂肪酸を血液中に流して運動エネルギーとなり、更に骨密度も高まることになります
つまり運動するということは筋肉を動かすことになりますので、その筋肉の要求に対して身体のメカニズムが機能し、正常な免疫応答にもつながるという訳です。
ではその筋肉が作られるメカニズムはどうなっているのかも考えてみたいと思います。
まず筋肉の原料となるのはタンパク質です。
食事でタンパク質を摂取すると、消化器官で分解されてアミノ酸になります。その後小腸で吸収されて全身に運ばれます。そして運ばれた先でDNAに従ってアミノ酸が連結されてタンパク質となり筋肉となるのがざっくりとしたメカニズムです。
このアミノ酸は20種類あり、そのうち9種類は必須アミノ酸と呼ばれ、体内で合成できないため必ず食事から摂る必要があります。身体を構成するタンパク質はこの20種類のアミノ酸の組み合わせによって成り立っていて、ひとつとして欠くことはできません。
そして必須アミノ酸のうちBCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれる3種類、バリン、ロイシン、イソロイシンが筋肉の保持や増量に大きく関わっている事が知られています。
BCAAを多く含む食品については
・マグロの赤身 ・カツオ ・アジ ・サンマ ・鶏肉 ・牛肉
・卵 ・豆腐や納豆 ・牛乳 ・チーズ
などがあげられます。
但し今は割愛しますがここにあげた食品はBCAAの観点からだけのものであり、それぞれの産地や製造方法についても十分吟味が必要なことは付け加えておきます。
牛肉なら何でもいい、納豆なら何でもいい、牛乳なら何でもいいという訳ではありませんので念のため。
更にはBCAA摂取の最適割合もバリン、イソロイシン1に対しロイシン4とロイシンリッチである事が解明されています。いますが食事でこんな割合を摂取することは不可能ですからそれを全うするにはこういった割合を製品に反映させているサプリメント等が必要になるでしょう。
筋肉は常に栄養素を必要としていますので栄養不足にならないようにすることが重要です。
身体に取り込んだ栄養は同化して身体のために働くか異化して排出されるかのどちらかになりますので、特にこと筋肉についてはこのことを意識する必要があります。
筋肉はカタボリックと呼ばれる異化作用によって分解され、アナボリックという同化作用によって合成されて増量されていくメカニズムがあります。
このバランスが非常に重要であり、もし筋肉に栄養不足が起きると筋肉が分解されてエネルギーに用いられることになりますので要注意です。
筋肉を使うと回復するためにより栄養素を求めるようになり、この時にタンパク質、炭水化物、ビタミン・ミネラルがタイムリーに取り込まれると栄養が吸収され続けて筋肉増量につながります。
また、10代から20代くらいまでは食事を意識していない睡眠時も活発に成長ホルモンが分泌されていますので、この時に栄養が足りてないとカタボリック作用が起きて筋肉が分解されたままになってしまいます。
この解決のためにはゆっくり吸収されるカゼインプロテインなどを摂取しておく必要があります。
筋肉に限らず、様々な機能は使わなければ退化します。
栄養に加えて多少のエクササイズを心がけることは生涯通じて必要なことかと思います。
スクワットや腕立て伏せなど、段階に応じて様々なやり方がありますので、細かいメニューについても今後考えていきます。
何れにしても100年を快適に過ごすためには日頃から自分の筋肉にも関心を払うことを習慣化し、高齢になってもしっかりと筋力を維持して元気に過ごしたいものです。