２０代女性 いらいら・不眠・パニック障害
パニック障害は特別な原因やきっかけ無しで急性の強い不安の発作（動悸・胸苦しさ・目まい・呼吸困難等）を繰り返す病気です。原因はまだよく分かっていませんが、心理的原因説は疑問で、脳機能異常説が有力です。また乳酸・炭酸ガス・カフェイン・過労・睡眠不足・風邪・ストレスなどが発作の引き金となる場合もあります。
パニック発作が起こると死ぬほどの恐怖に襲われますが、診察をうける辺りには、発作は殆んどおさまり、検査でも異常が見られずそのまま帰されます。この方は、１０年前から慢性的に良くなったり、悪くなったりを繰り返し、精神安定剤・抗不安薬を処方されていますがスッキリと治らず、いらいら・不眠に悩まされ何か良い方法が無いかとご相談。
漢方の目で診るとこの方の特徴は、極端な胃腸虚弱により栄養が吸収できず、良い血が不足し、脳細胞や神経細胞が過敏に反応すると考えます。
顔色は青白く、食べる量は普通だが、軟便気味で半分くらいは未消化で排泄されている。胃もたれ・食べるとすぐ満腹感・胃がポヤポチャする・ガスが溜まり易い・全身特に手足の冷え・皮膚のアレルギー・背中の凝り等、これらは全て胃腸虚弱でエネルギーが手足・皮膚・筋肉に供給されない現象と理解されます。
精神安定剤・抗不安薬は神経をぼんやりさせて不安を紛らわす薬ですが、体つくりの基本お腹がの問題を無視しているので治りません。証陽散（腸内環境改善サプリ）や、がロール（胆汁入り胃腸薬）で胃腸強化を五加參や双參（エゾウコギ＋朝鮮人参）で造血・精神力強化を図ったら4カ月で諸症状の50％が改善された。このまま続けると体力が付き病院薬の効果も出てきます。
40代男性 高血圧・死亡
10月のある日疲れやすく１年前から血圧が高いとご相談。身長166ｃｍ・体重70ｋｇと小太り体型（元は65ｋｇだという）。身体を使う仕事だが、残業も多くストレスを感じる。
a肉類が好き、bたくさん食べる、c塩味好み、d野菜は摂らないが野菜ジュースは欠かさず飲む、大便１日１回、e小便は日中１～２回で夜間尿２～３回、ｆタバコ１０本、g晩酌は缶ビール500ｍｌと酎ハイ毎晩、h春に花粉症、i頭痛（側頭部）、j白舌苔で赤色、k左右の肩と背中のコリ、l胸焼け、m朝の腰痛、n顔から汗が出易いなど様々な症状がある。
血流計で測定すると180－145（140－90以下）・心負担14060（12000～7000）・末梢血管抵抗2420（1500以下）と異常な数値が出た。＊（ ）内が正常値です。まず食生活に問題があります。a・b＝過体重⇒血圧上昇、c腎に負担⇒血圧上昇、d市販の野菜ジュースは、加熱や加糖等で野菜の代わりとは言えない、e腎に影響が出ている⇒血圧上昇、fニコチンによる末梢血管収縮⇒血圧上昇、g肝に負担⇒瘀血（血液の汚れ・滞り）と肝腎に負担をかけ血圧上昇の原因。ストレスが更に悪化促進。
また自覚症状からは、j白色苔＝肝・赤色＝心の異常、h肝の負担、k肝心の異常、m瘀血、n肝の余分な熱を排せつ、と、いずれも汚れ・むくんだ血液を末端まで届けようと、心臓が無理して回していることを意味します。＊上の血圧は心臓がギュット収縮して押し出す圧力・下の血圧は元に戻って吸い上げる圧力（主に細い血管に関係）
いずれにしろ危険な状態ですので、日水清心丸を２丸お買い上げ頂き、すぐに病院に行くように勧告し、その検査後であれば漢方治療も可能であることを伝えましたが、数カ月後死亡欄にお名前が……… 後でご家族からお話を伺いましたが、疲れた、疲れたと言いながら病院にもゆかず頭痛がするから早く寝ると、床に就き朝起きてこないので起こしに行ったら、すでに亡くなっていたといいます。あの時の数字を充分に理解して頂ければもう少し寿命を延ばせたのにと残念です。